網走 ページ14
．
「こんなところで立ち話をするより、
中でゆっくり話そうじゃないか。」
背後から声がして振り返った。
そこには白髪の貫禄のあるご老人が立っていた。
彼が有名な土方歳三らしかった。
すると中に入り、椅子に座って、一言目。
土方歳三はいきなりとんでもないことを言った。
「恐らく硯は未だ、網走にいる。」
『?!?!』
「え？！」
「は？！？」
「え、え、俺一緒に脱獄した記憶があるんだけど、…？！俺の記憶違い？！」
と、白石や牛山があ然とする中で、
土方歳三は淡々と喋る。
「第7師団や中央政府は網走にはそう近づかない。だからこそ、奴は網走にいるはずだ。」
『…どういうこと？』
「あの男にとって網走監獄は最も安全な場所だ。
だが、また捕まっているわけじゃない。
身を守るためにその周辺で息をしているはずだ。」
第7師団や中央政府から、追われてるってこと？
……どうして？
中央政府はともかく、
第7師団は鶴見中尉がいるのに。
『じゃあ、網走に行けば、硯に会えるの？』
「そうだ。
だから、網走までついてくればいい。
＿＿＿＿＿自ずと真実がわかるだろう。
今、我々が言えることは、
硯はずっと君に会いたがっていた。
ということだけだ。」
『…』
胸が裂けそうな思いだった。
私が第7師団に身を寄せ、
戦争に行き、
人を殺したときも、
そして
辛くなって、
考えることをやめたときも、
硯はずっと私のことを想っててくれたんだ。
＿＿＿＿＿なのに、私は…
「決まりだな」
ふと顔をあげると、そこには尾形が立っていた。
そして、私に散弾銃を投げ渡した。
『ちょ…！！』
受け取った瞬間にずしんと、手に重みが加わる。
「鈍った腕前をどうにか取り戻せ。」
『…』
「なまりすぎだ」
きっと尾形は襲ったときの私の反応の悪さや
動きの遅さに対していったんだと思う。
確かに、一年も経てば、体は十分鈍る。
『なんか、…尾形に言われるとすごくムカつく』
「…」
「プププッ、
尾形とAちゃんて仲悪いの？」
呑気に白石は笑っていて、
その場にいた何人かは笑っていた。
「こんなのと、仲良くてたまるか」
『仲良いわけがない』
罪悪感に苛まれそうだったが、
割と白石のおかげでなんとか気力を保てた。
アシリパ、杉元、白石といい、
私にとって、とてもありがたい存在だった。
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プスメラウィッチ - 出来れば、尾形百之助オチでお願いします🙏 (2023年1月27日 15時) (
レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作者です - 名無し74304号さん» はじめまして。お気遣いいただきありがとうございます。自分のペースで進めていきます。よろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
作者です - もっちさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
名無し74304号(プロフ) - はじめまして、面白いです。続きを楽しみにしています、無理なさらない程度に (2022年12月27日 1時) (レス) id: 969f72f718 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 面白いです、楽しみにしてます。 (2022年12月26日 0時) (レス) @page38 id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年11月27日 21時
