刺青 ページ2
．
「私は今、とある監獄から逃走した囚人を追っているんだが＿＿、その囚人たちの身体には【刺青】が掘られていて、それをあれよあれよとくっつけると、アイヌの莫大な金塊が隠された地図となる。」
『…それはまた、気味の悪い話ですね。』
「ハッハッハ！気味悪く、だからこそ魅力的な話だと思わないか？
私はその金塊を軍資金として、日本国を繁栄させる。そして冷たく寒い露や満州で眠る戦友への祈りを捧げる。
それが、これからを生きる国民を幸せに、
そして死んでいった者たちへの弔いとなる。」
鶴見中尉は、
真実のすべてを話すことはないが、
嘘はつかない。
「“その囚人の刺青探しと私は関係ない”
“そもそも役に立てないから、第七師団には戻ることはない”
そんな事を心のなかで言ってるんだろう？
私には筒抜けだぞｫ」
その通りだったから反論はできなかった。
「ところがどっこい、
君はこの囚人の刺青探しには大いに関係がある」
『…』
「さて、問題。
この囚人たちはどこから脱獄してきたでしょう？」
嫌な予感がする。
心臓がバクバクと鳴る。
「＿＿＿＿＿正解は【網走監獄】だ。
君の育ての親、そして私の若かりし頃の戦友でもあるあの男が収容されていた場所だ。」
「彼も、網走監獄から脱獄している。
つまり、身体に刺青があるということだ。
まぁ、あの男のことだから、
きっと周りに気づかれないよう、
慎重に君のことを探しているだろう。
必ず、君に会いに来る。
だからこそ、
私にとっては君の協力が不可欠なんだ。」
彼が連行されて、何年が経った？
私が鶴見中尉に助けられて、
日露戦争へ趣き、沢山の友をなくし、
逃げてきた今現在、夕張にいる。
『…私は鶴見中尉に警告されてから、
一度も網走へ行こうとはしなかった…
だから、あの人が私を探すとは思えません。』
「あの男は、君を心から“愛”していた。
だから自ら罪を被り、網走へ行った。
君が網走に行くなんて望んではなかっただろう」
『……もし見つけたら、皮を剥ぐんですか？』
「ハハッ、君は私を鬼だと思っているのかい？
写しを貰うだけだよ。それに他にも刺青を狙う輩がいるかもしれない。だから、護衛もしたいところだな。
回答は今じゃなくていい。ゆっくり考えてくれ。」
鶴見中尉は、なんの惜しげもなく、
そのまますぐに帰っていった。
ただ、
モヤモヤとした気持ちだけが残っただけだった。
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プスメラウィッチ - 出来れば、尾形百之助オチでお願いします🙏 (2023年1月27日 15時) (
レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作者です - 名無し74304号さん» はじめまして。お気遣いいただきありがとうございます。自分のペースで進めていきます。よろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
作者です - もっちさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
名無し74304号(プロフ) - はじめまして、面白いです。続きを楽しみにしています、無理なさらない程度に (2022年12月27日 1時) (レス) id: 969f72f718 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 面白いです、楽しみにしてます。 (2022年12月26日 0時) (レス) @page38 id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年11月27日 21時
