四十一章 姐さん ページ43
頭上でコロコロとまた上品な笑い方が聞こえる。
「そう身構えなくても善い。何時も通りで善いのじゃ。」
「なら遠慮なく。」
私は顔を上げた。
少し低い場所に、未だコロコロと笑う姿を見た。
「幹部呼びとは、また随分懐かしいのう。」
「其処まで久しいものでも無いですよ、姐さん。」
姐さん。
矢張り、此の呼び方が一番しっくりくる。
姐さん――尾崎紅葉姐さんは五代幹部の一人であり、中也の保護者。
そして、芥川君の妹の師匠さんである。
今姐さんの後ろに隠れているのは妹だろう。
妹さんがいるから礼儀正しくしたのに、笑うなんて酷いです。
砂一粒くらい悲しくなった。
私はしゃがんで姐さんの後ろに声を掛けた。
「大丈夫、お姉さん怖い人じゃないよ。」
頭上の少し小さくなった笑い声がまた大きくなった。
一通り笑い終わった後、姐さんが口に当てていた袖口を外した。
「否、其方、幼子に話しかける口調はまんま彼奴ではないか。」
面白い、と云う様な事を声が凡て物語っていた。
彼奴、とは師匠の事だろう。
アハハと笑って誤魔化す。
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味の素 - 天才ですね、分かります (2018年11月22日 16時) (レス) id: dc2caa7110 (このIDを非表示/違反報告)
永魔堂(プロフ) - 黒崎メアさん» リクエスト有難うございます!少し書くのに時間がかかってしまうかもしれませんが、リクエスト、確かに承りました! (2018年11月7日 15時) (レス) id: cddf6c3e9e (このIDを非表示/違反報告)
黒崎メア(プロフ) - 恋愛系でも良いのなら、何時もと違うドSな太宰さんに壁ドンされ、顔を赤くする弥生が見たいです。 (2018年11月4日 18時) (レス) id: 970964fd31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:永魔堂 | 作成日時:2018年10月29日 18時