三十一章 罠に掛かったネズミ ページ33
ふと太宰の携帯電話が鳴った。
太宰が苦しそうに携帯電話を取り出し、軽く断りを私達に入れてから電話に出た。
「私、だよ……。」
机に突っ伏したまま太宰が云った。
其れから暫く。
太宰はすっと座りなおした。
顔も真顔。
如何やら自分を取り戻した様だ。
不意に太宰がにやりと笑った。
「了解。」
そう云って太宰は電話を切る。
それから、私と織田作に向かって云った。
「ネズミが罠に掛かった。」
「お……。」
私は感嘆の声を上げた。
織田作も空の珈琲碗を持ち上げかけてまた下げた。
「私は今から行って来るよ。」
「行ってらっしゃい。」
「気をつけて。」
行ってらっしゃいは私が、気をつけては織田作が云った。
太宰はクスリと笑う。
「うん。じゃあね。」
そう云って太宰は出て行った。
36人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
味の素 - 天才ですね、分かります (2018年11月22日 16時) (レス) id: dc2caa7110 (このIDを非表示/違反報告)
永魔堂(プロフ) - 黒崎メアさん» リクエスト有難うございます!少し書くのに時間がかかってしまうかもしれませんが、リクエスト、確かに承りました! (2018年11月7日 15時) (レス) id: cddf6c3e9e (このIDを非表示/違反報告)
黒崎メア(プロフ) - 恋愛系でも良いのなら、何時もと違うドSな太宰さんに壁ドンされ、顔を赤くする弥生が見たいです。 (2018年11月4日 18時) (レス) id: 970964fd31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:永魔堂 | 作成日時:2018年10月29日 18時