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『ふへへ、私もカルタしたかったな〜』
テレビ局の長い廊下を、素振りをしながら歩く。
結局対談相手の1人である矢島さんと連絡が取れずに時間が空いてしまったため、控え室で待機。
「おいおい、ここで素振りするなよな───っとわぁ!!」
『あああっ!ごめん!!』
ほんの1点。
まるでかるたの札を払ったみたいに私の指先がコナンくんの眼鏡の縁にぶつかってしまった。
もちろん勢いよく眼鏡は飛んでいき、カシャンと音を立てて地面を滑る。
「ったく、危ねーんだよ!やめろっつったろ!!」
『ご、ごめんってば…』
眼鏡を拾い上げたコナンくんに怒られ、私はじっと黙って蘭にくっつく。
そんなに怒んなくてもいいじゃん。
…確かにさっきのは私が悪かったけどさぁ。
なんて心の中で文句を言っていれば、少し前を歩いていた服部くんや和葉ちゃんが足を止めた。
「すんません、大丈夫ですか?」
なにやら服部くんと女の子がぶつかってしまったみたいで、彼はその子を見下ろすと軽く謝った。
2人の視線がぱっちりと絡み合ってる。
「あんた、さっきカルタやっとった…」
「…運命やわ、」
ぽかんとして服部くんのことを見つめていた彼女の瞳には微かに涙が浮かんでいて、この場にいるみんながぎょっとした。
「会えるんやないかと思てました…!」
「えっ」
「ウチの未来の旦那さんに…」
とても綺麗な女の子は、服部くんを見上げるとそんなことを口にする。
…え?
「み、未来の…」
『っ、旦那さん…!?』
驚いて声を上げたのは私やコナンくんだけじゃない。
服部くんや和葉ちゃんも見事に声を揃えて「ええっ!?」と目を見開いた。
「ウチ、この収録が終わったら暇なんです、良かったらこの後お茶でも飲みません?」
『っは…』
彼女はきゅっと服部くんの腕に自分の腕を絡める。
満更でもなさそうに頬を赤らめる服部くんに、私は慌てて和葉ちゃんの方を見た。
和葉ちゃんも驚いたようで戸惑っている。
「ちょ、ちょっとあんた何を…」
「いやいや…」
服部くんが和葉ちゃんに慌てて言い訳をしようとした時、1人のスタッフさんがこちらへと駆けて来た。
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↑ここなっつ↓(プロフ) - お気に入り1000人おめでとうございます!!!ほんっとにいつ読んでも面白くて、hit数の100回分ぐらいは私です笑ピュアっピュアな関係が最高です!ませていただきます!! (2021年1月26日 0時) (レス) id: 71253ca668 (このIDを非表示/違反報告)
hihi - 全部読ませていただきました!!とっても面白いかったです! (2020年4月14日 18時) (レス) id: ce767b5d1b (このIDを非表示/違反報告)
さわおり(プロフ) - すごくおもしろかったです!!新しい映画シリーズ楽しみです!!更新頑張ってください! (2020年4月10日 23時) (レス) id: 5567e38aaf (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!夢主ちゃんとコナンくんの恋がどのように、進展していくのか楽しみです! (2020年4月10日 10時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ぜんぶ最高でした!!よければゼロの執行人も見たいです! (2020年4月2日 10時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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