□15. ページ16
「なんや、3人揃ってお出迎えか?」
「う、ううんっ…!」
首を横に振った蘭がバタバタと後ずさる。
…蘭、それめっちゃ怪しいよ。
ポーカーフェイス出来ない私が言えることじゃないかもしれないけど。
「どないしたんや、あの姉ちゃん」
こういう時は何も言わない方がいいって知ってるから私はお口チャックにしておこう。
…と、服部くんから逃げるように蘭に駆け寄ったところで病院のドアが開いて小五郎のおじさんが出てきた。
「蘭、」と呼びかけるおじさんに、驚いた蘭が肩をすくめる。
「落し物は届けたのか?」
「あ、う、うん…」
『あわっ』
近くにいた私の手を取って足早に病院の中へと戻って行った。
まだコナンくんが…、なんて振り返ると、苦笑を浮かべた彼がこちらを見ていた。
…ま、いっか。
·
「───さ、特訓開始や!」
ホテルに戻るなり、札を取り出す和葉ちゃん。
子供たちはそんな私たちの元へとやって来て元気づけるように声をかける。
「俺たちも手伝うぞ!」
「私たちに出来ることがあったらなんでも言って!」
「全面的にバックアップします!」
そんな3人の声に、蘭が優しく微笑んで、和葉ちゃんは嬉しそうに「ほんま、おおきに!」と顔を上げた。
───と、その時。
携帯の着信音がこの場に響く。
私のじゃないから…、
「あっ、電話だ…」
「誰からだ?」
「博士からです」
光彦くんのスマホの音だったみたいで、博士からだと知った3人はみんなで話そうと言い出す。
和葉ちゃんに邪魔しないようにあっちで話すと告げた子供たちは、部屋の奥へと駆けて行った。
「全面的にバックアップって…」
「こういうこと…」
2人が小さく笑う横で、私は息を吐いた。
…まぁ博士も心配してるだろうから、子供たちの声聞いたら喜ぶよね。
私は黙々と札を並べる2人を見ながら、少し昔のことを思い出して小さく笑みを浮かべた。
「蘭ちゃん、カルタやったことあるん?」
「へ?…あ、昔ちょっとだけね」
並べていたカルタの札をじっと見つめた蘭が、どこか切なげに微笑んだ。
1064人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
↑ここなっつ↓(プロフ) - お気に入り1000人おめでとうございます!!!ほんっとにいつ読んでも面白くて、hit数の100回分ぐらいは私です笑ピュアっピュアな関係が最高です!ませていただきます!! (2021年1月26日 0時) (レス) id: 71253ca668 (このIDを非表示/違反報告)
hihi - 全部読ませていただきました!!とっても面白いかったです! (2020年4月14日 18時) (レス) id: ce767b5d1b (このIDを非表示/違反報告)
さわおり(プロフ) - すごくおもしろかったです!!新しい映画シリーズ楽しみです!!更新頑張ってください! (2020年4月10日 23時) (レス) id: 5567e38aaf (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!夢主ちゃんとコナンくんの恋がどのように、進展していくのか楽しみです! (2020年4月10日 10時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ぜんぶ最高でした!!よければゼロの執行人も見たいです! (2020年4月2日 10時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ