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「蘭姉ちゃん、居たよ!あっち!」
パスケースを片手に走っていた蘭は、コナンくんの声に足を止めて振り返る。
彼の指差した方向には、車に乗り込もうとしている紅葉さんの姿があった。
『紅葉さんっ!!』
「ちょ、ちょっと待って!」
慌てて追いかけるけど、パタンと車のドアは閉められ…、
「紅葉さん!待って〜!!」
病院から出た時にはもう遅かった。
車は向こうへと行ってしまい、どんどん小さくなっていく。
『…行っちゃったね』
「どうしようこれ…」
困り顔で手元のパスケースを見つめる蘭に、コナンくんが口を開いた。
「名前や学校は分かってるけど、連絡先は中見た方が早いんじゃない?」
「そうだね」
『私も見たい!』
少しだけ腰を屈めて私やコナンくんにも見えるようにパスケースを開いてくれる蘭。
「えーっと、これ…あ、写真か」
パスケースの中から一番最初に出てきたのは写真だった。
この人、誰だろう。
なんかで見たことあるような、無いような。
『あれ、もう1枚ある…』
私の言葉に、もう1枚の写真を出した蘭は「えっ」と目を丸くさせた。…隣ではコナンくんがゲッと顔をしかめる。
…だって。
その写真に写ってるのは、確かに幼い頃の服部くんと紅葉さんだったから。
「これって紅葉さんと…」
「服部くんだよね…」
「…指切りしてるね」
2人の言う通り、確かに頬を赤らめてる紅葉さんと、服部くんが指切りしている。
…なんか、なんていうか、
『なんの約束したんだろ…』
「結婚の約束とか?」
コナンくんの言葉に、私たち3人の笑い声が重なる。
「こんな子供なのに?」
「そんなわけないよね!」
『うんうん、そうだよ!』
そこまで言ったところで、笑い声が止まる。
───いや、服部くんならありえるよ。
そう思ったのは私だけじゃない、と思う。
3人で顔を見合わせると、今度は苦笑混じりに「あはは…」と零した。
「…あ、平次兄ちゃんのバイクだ」
そんなタイミングで、服部くんのバイクが正面から向かってくるのが見えた。
さっきの写真のことは絶対に内緒だよ、と言う蘭にこくりと頷いた私の横にいたコナンくんは蘭の背後に回る。
…私と同じようにコナンくんも気になったんだろう。さっきの男の人の写真をスマホで撮って何事も無かったかのように私の横に並び直した。
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↑ここなっつ↓(プロフ) - お気に入り1000人おめでとうございます!!!ほんっとにいつ読んでも面白くて、hit数の100回分ぐらいは私です笑ピュアっピュアな関係が最高です!ませていただきます!! (2021年1月26日 0時) (レス) id: 71253ca668 (このIDを非表示/違反報告)
hihi - 全部読ませていただきました!!とっても面白いかったです! (2020年4月14日 18時) (レス) id: ce767b5d1b (このIDを非表示/違反報告)
さわおり(プロフ) - すごくおもしろかったです!!新しい映画シリーズ楽しみです!!更新頑張ってください! (2020年4月10日 23時) (レス) id: 5567e38aaf (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!夢主ちゃんとコナンくんの恋がどのように、進展していくのか楽しみです! (2020年4月10日 10時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ぜんぶ最高でした!!よければゼロの執行人も見たいです! (2020年4月2日 10時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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