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「──アルファ目標感知!本艦に向かい接近中!」
その声に、私は顔をくぐもらせる。
…終わりじゃないってことは、何かがあったのか。
緊迫した声が飛び交っていると、艦長からの声もスピーカーから流れた。
「こちら艦長立石!各種レーダー捜索始め!」
薄暗いこのCICに響く声。
慌ただしく動き出す隊員らに、私は思わず蘭の服の裾を掴む力を強めた。
「なんか試合が急にリアルじゃねぇか?」
「うん、すごい迫力…」
『…でも、なんか様子が、』
さっきとは違って隊員の人たちの様子もおかしい。
これって…、
「対潜警戒!発光信号送れ!」
「了解、信号弾用意!」
「発光信号弾…発射!!」
「第三メインモニター、出ます!」という言葉と共に切り替わった映像。信号弾が上がり、光った上空が見える。
楽しそうに歓声を上げる子供たちの中で、コナンくんだけが真剣そうにそのモニターを見ていた。
『やっぱり…』
「すごくない?あの光本物かな?」
「まさかぁ…」
蘭と園子の呑気な会話を2人の間で縮こまって聞いていれば、園子が「なーにビビってんのよ」と私の背中を軽く叩いた。
『いや、ビビってるわけじゃ…』
「対潜戦闘用意!ワーニングレッドだ!」
「アイサー!」
私の声は入ってきた艦長さんによって遮られてしまう。
乗客の方を振り返った井上さんは、これから少し揺れるかもしれないので保護者の方はお子さんから目を離さないでください、と忠告する。
「…なんかあったのかな」
「これって訓練だよね…?」
さすがに少し不安そうな表情を見せる2人。
私も俯きがちで「…深刻そうだよ?」と口にした。
「あったりめーだろ!やっと面白くなってきたんじゃねーか!」
満足げに言うおじさんだけど、…隊員さん達の言葉は徐々に深刻さを増していくような気がした。
「映像不明瞭、探知状況不評です!」
難しい言葉で何を言っているのかは理解できないけれど、不安な気持ちが心を埋めつくした。
大丈夫だよね、という気持ちを込めて新一を見つめるけど、彼も眉をひそめてモニターをじっと見ているまま動かない。
『うわ、』
急に動き出したせいで、ぐらりと揺れた船。
私は足に力を込めて転ばないようにする。
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ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
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