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「何か安否を確認する方法は無いんですか…!?」
「今は哨戒ヘリに任せる他ありません…」
目暮警部と艦長の会話に、目を細める。
…捜索範囲が絞られたとはいえ、日没までにあの範囲を全て見て回るなんて不可能に近い。
ましてや、Aは波に流され動き続けている可能性が…!
「お願い…、無事でいて…!Aっ!」
蘭の言葉が妙に頭に入ってくるほど冷静。…なようで、本当は焦りと不安が胸の中を埋め尽くしていた。
·
「上杉さん!上村Aさんっ!救助に来ました!──必ず助けます、もう少しです、頑張ってください…!!」
その声に、すぐさまスピーカーへと駆け寄った園子が「Aっ!どこなの!!」と呼びかける。
その後ろで、子供たちも大きな声を上げた。
「お姉ちゃん…!!」
「頑張ってください…!」
「Aお姉さんっ、死んじゃいや…!!」
「もうすぐ助けるぞ!」
俺の隣で膝をついていた蘭もスピーカーに駆け寄って震える手でマイクを掴むと「Aっ!すぐに助けるからっ、だから…!」と途切れ途切れに叫ぶ。
俺はじっとその場で焦る気持ちを抑える。
落ち着け、まだあるはずだ…Aを見つける方法が…!
「波がさらに速くなっています、捜索範囲の拡大が必要かと…」
「日没まで時間が無い!エリアをアルファ−ブラボ−フォックスに限定し、捜索を続行しろ!」
「了解!アルファ−ブラボ−ボックスへ向かいます!」
無線から聞こえてきた言葉は、…俺らの心を揺さぶる。
·
『ん、…っ、は…!』
どんどん波が高く速くなっているのが分かる。
顔を出しては沈んでの繰り返しに、いよいよ気が遠くなってきた。
『…ッ』
切り裂かれてボロボロになった救命胴衣がするりと抜けて流されていくのを、そしてキラキラと光った何かが周りを舞ったのを…ふわりとした意識の中で感じた。
誰か、助けて─────…
──────しんいち、
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ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
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