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「だいぶ暗くなってきましたね…」
「日没まであと15分もありません!」
その言葉に、モニターをずっと見つめていた園子が振り返る。
「日没なんて…っ、日没なんて関係ないでしょ!ずっと探してよ!見つかるまでAを探してよ…!!」
「お願いします…っ、お願いだから、Aのこと…!!」
ボロボロと大粒の涙を零す園子の横で、蘭も涙を拭って拳を握りしめた。
シン…と一瞬静まり返ったこの場。
「そうしたいのは山々だが…」
「この時期、日没少し前の5時になると、水温が急激に下がるんだ。だから5時以降に発見できたとしても…」
「そんな…!」
やべぇ、もう海水温が下がり始めているのか…、
腕時計を見ると、時計の針はもう5時直前を指している。
…もう時間がねぇ。
何かいい方法は…、と刻々と進む時計を見つめていた時だった。
「時計…?」
そういやAのヤツ、光彦から──…
「なんでだよっ!なんで探すの辞めるんだよ!」
「絶対見つかりますから!」
「諦めないでっ!」
泣きながら訴える子供たちに、隊員の人達が沈痛な面持ちで黙り込んでしまう。
「この船ってすごいんですよね!?」
「そうだよ何とかしてよ!」
「海の名探偵なんだろ!!」
海の名探偵…、
その言葉には聞き覚えがあった。
“───まさに海の名探偵ですね!”
“───さすがの東の名探偵さんも負けちゃう?”
頭に浮かんだ記憶は、確か甲板で説明を受けた時に光彦とAが言っていた言葉だ。
「……!!」
そうか、このイージス艦のレーダーなら…!
「…本艦は17時をもって、遭難者救助を専門機関に委託。舞鶴港へ帰港──…」
「電波時計だ!」
苦渋の指令を出した艦長の言葉を遮る。
「Aは電波時計をしてる!このイージス艦なら、その電波くらい拾えんだろ!──光彦!あの時計完全防水だったよな!」
涙を拭いながら「はいっ!」と返事をするのに対して、俺は艦長の方を向く。
「電波の受信時間は午後と午前の5時ジャスト!艦長!時間が無い、早く!!」
艦長は真剣な眼差しで大きく頷くと電波探知装置を用意するように命令した。
その命令に隊員は動き始める。
「午後5時まで残り1分40秒…、行けるな?」
「やってみせます!」
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ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
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