□39. ページ40
·
「どこに居たって、俺がぜってーに見つけてやっからよ」
俺の言葉に、彼女は嬉しそうに笑ったのを覚えている。炭酸の抜けたサイダーみたいに、柔らかく弾けるような微笑み。
照れ隠しに髪の毛をボサボサにしてやったのだって鮮明に思い出せる。
「うん、ありがとう新一。…約束ね?」
セーラー服のスカートの裾を握っていた手がゆっくりと離れて俺がくしゃりと撫でた髪の毛を直す。
「…信じてるよ、名探偵さん?」
下から覗き込むようにしてそう言ったAの頬は夕焼けに照らされてほんのりと色づいていた。
·
「…ッ、くそ…!!」
あいつ1人見つけられないで、
…約束1つ守れないで、何が名探偵だ…。
A…、
A…っ、
“…ごめん、─────だいすき”
「っ、A─────────!!!」
·
───今、コナンくん…、新一の声が…。
消えかけていた意識が少しだけ覚めた時には、波に揺られる感覚さえも失っていた。
蘭や園子、泣いてないかな。
…あいつ、怒ってるかな。
うっすらと目を開けば、さっきとは反して視界は明るかった。
「───言ったろ?…ぜってー見つけてやるって」
『…しん、いち、』
優しい笑顔で手を差し伸べてくるのは新一で、
きっとこれは幻想でしかないんだと分かった上で私の体は動いた。
『もうっ、…遅いよ…』
伸ばした手が、彼の手に触れかけた時。
錯覚かもしれないけれど、…微かにそれは、温かかった。
792人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ