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東都スタジアムに到着するなり、俺は車を出る。
怪しい奴が通らないか見張っててくれと子供たちに告げ、行こうとした時だった。



『コナンくん…!』

「…へ」

『〜〜っ!待ってるから、絶対に戻ってきてね!』

「───ああ!!」


スタジアム内へと駆け出した俺は、軽く目を伏せる。


…あいつのことなら、一緒に行くって言うと思ったんだけどな。

何かを言おうとしてためらった表情、呑み込んだ言葉、…真っ直ぐな瞳が脳裏に焼き付いて離れない。



あたりめーだろ。


心の中で小さく呟いた俺は、犯人のいるスタジアムのコートに足を踏み入れた。



「───小五郎のおじさんなら待ってても来ないよ」


広くて静かなスタジアムに響いた声。
犯人はばっとこちらを振り返る。


「来たのは僕だけさ!」


暗闇でよく見えないけれど、犯人が怪訝そうな顔をしたのは分かった。

眠らされていた警備員さんを逃がしたこと、もうじき警察も集まってくると思うこと、…その2点を告げる。



「僕、郵便受けのカードのトリック分かっちゃった」


まるで警戒もクソもないような子供らしい声で、推理を語る。



「カードを入れたのは、東都スタジアムを爆破した日。小五郎のおじさんに電話をかける前に、郵便受けの奥に上下に挟むように立てかけたんだよね?」



あの郵便受けの形状からして、余程覗き込まない限り奥のカードは見えないし、他の郵便物が入っていればそれに目を取られてカードには気づかない。

そして、その日のうちにスピリッツのサポーターを装ってメール便を出す。…郵便受けに差し込むことはできるけれど入り切らないサイズで、なおかつ封筒の両端からのりがはみ出すように作ったもの。

当然配達の人は何かの拍子に落ちてしまわないよう、メール便を郵便受けの奥に当たるまで押し込む。

…すると、奥に立てかけてあったカードにメール便のはみ出したのりがひっつき、メール便が引き出されればカードはまるでたった今届いたかのように郵便受けの手前に移動する。


つまり、カードは前日に郵便受けを覗いた後に入れられたと思われる。



そのことを話しながら歩み寄ると、犯人は戸惑ったように歯を食いしばった。

…当たり、か。

まぁ、当然のように知ってたけどな。

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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しい限りです!!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
- おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです!頑張って下さい! (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぴこ。 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月18日 22時

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