ハッピーエンドはここでしょうか。 ページ47
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当たり前のような日常が好きだ。
薺ちゃんがいればいいと思ってた。
薺ちゃんが隣にいてくれれば、それで、って。
けど、気づいたらその人は、
私の当たり前のような日常に、
当たり前のように、
すぐ近くにいたから。
だから、ずっと近くにいて欲しいな、とか。
どうせなら、隣にいて欲しいって、
そう思っちゃったから。
「幸代さんの前でくっ付いてごめん、まじで。
悪気はなかったというか、」
幸代「いや、………うん、
前から、わかってたし。叶が角田さんのこと、好きなの。」
叶「そんなに分かりやすかったかな。」
幸代「授業中も、それ以外も、
ずっと見てたもん。」
「視線はそれか。」
授業中やけに視線を感じると思った。
ダラダラしていても、
薺ちゃんと喋っていても、なのだから。
はぁーー、とため息を吐き出しながらも、
未だに握られた手は離されることはない。
だから、まぁいいか、と思いながら、
コチラからも握れば、
びくっと、驚く叶。
え、まじでなんなの????
叶「バレちゃった。」
「うーん、やっぱり叶って私に、
少し塩対応じゃない?」
叶「っはは、なんのこと?」
三枝「叶さん、好きな人にはちょい塩対応よ?」
「……………あー、なるほど。
ふーん?そうなんだ〜〜叶〜〜〜〜??」
叶「あーもう、めちゃくちゃウザイ。」
後ろからの野次をフル無視しながらも、
三枝くんからの言葉に、
ニヤニヤしながら見上げたのなら、
ウザイと言われながら、
そっぽ向かれた。
よくある、結ばれたあとのハッピーエンドでは、
付き合いました報告だの、
結婚式だのあるけど。
そんなもの、いらないや。
特別感も何もいらない。
「正直今更だけど、モブが、
果たしてハッピーエンドを迎えてもいいものだろうか。」
叶「僕にとってのヒロインなんだけどな?」
「うっっっわ解釈違い、
帰っていいか?てか帰るわ。」
叶「A、」
電車の時間を確認しては、
そろそろ帰らないとな、と思い、
歩き出せば、
名前を呼ばれる。
振り返ったのなら、手を掴まれ、
手の甲にキスをされた。
王子様かよ、とか思ってしまう。
叶「嫌って言っても、僕は離してあげられないからね。」
その言葉を聞いて、思わず笑ってしまった。
嫌って言うつもり、一切無いんだけどなぁ。
変なやつ。
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ふしみや(プロフ) - 完結おめでとうございます!fwくんの新作も読ませていただきます! (2023年4月10日 8時) (レス) @page50 id: ab0c092877 (このIDを非表示/違反報告)
やた - まってまってここに神いるマ?ぇ、ほんとに好きですがんばってください好きです (2023年4月4日 15時) (レス) @page34 id: 2bbfab8645 (このIDを非表示/違反報告)
侏儒(プロフ) - 書き方がめちゃ好きです!後方腕組彼氏面で応援しまくってます!((ちなみに薺ちゃん推しになりました(( (2023年4月2日 19時) (レス) @page32 id: ea70dcd67b (このIDを非表示/違反報告)
ろぜった - 初コメ失礼します。すごくすごくすきです!主人公ちゃんも齋ちゃんもめためたかっこよくて最高です。これからも更新頑張ってください! (2023年3月29日 19時) (レス) id: 39b04079dd (このIDを非表示/違反報告)
ティッシュ - 最高です。主旨は違うかもしれないのですがもしや油夢を書く才能が輝いてませんか!?ココ最近で1番ドキドキしてます。あわよくば単体夢書いて頂きたいレベルで好きです。。最後まで応援させてください! (2023年3月28日 0時) (レス) @page26 id: 07e0444dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年2月2日 9時