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君だったから。 ページ39

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叶 side





理由があるとすれば、
それは、君だったから、なんていうものだ。




他の誰かじゃなくて、


Aだったから、なんだよ。





あまねでも、助けてはいたけど、
でも、Aだったから。


葛葉たちと教室に戻っている途中だった。




階段から降りてくるAを見て、
声をかけようとする前に、ことが起こった。


あまねが、突き落とされていたから。




隣にいた葛葉はもちろん、みんなも慌てていたけど。

そのあと、Aが腕を引けば、
交換するようにと、




落ちていくから、人混みをかき分けて止めに入る。





手すり部分に頭をぶつけたけど、
なんとか落ち切る前に間に合ってよかった、と思った。

少し頭から血が出ていて心配になった。




本当に、心配で仕方がなかった。

幸い傷が深いわけでもなく、
ぶつけて少し血が出た程度だったため、



病院に運ばれることは無かった。


病院が開いてる日に受診しろ、とは言われたけど。





保健室で、血をふかれては、
絆創膏をされる。


本人は、助けなくてよかったのに、とか言うけど。





叶「Aだったから助けた。」



「私だから、ってなに。
人によって決めるの?」


叶「決めるよ、僕は。」




「それはそれでどうなのよ。」


叶「あまねは友達だし、ゲマ女も助けてた。
知り合いだったら助けてたよ、ちゃんと。」





「それが、わからない。
私と叶の関係性は、ほんの少し喋るぐらいの、
知人程度、だと思うんだけど。」


叶「傷つくなぁ、友達だと思ってたのに。」




でも、友達は嫌なんだけどね。




彼女の膝やおでこに、
絆創膏を貼る。

僕はベッドに座っていて、

彼女は椅子に座っていた。





とんとん、と隣を叩けば、
首を傾げながらも、隣に座るA。


そうやって、疑わずに僕の隣に来るってことは、



信頼関係成立してるってことじゃないの?
期待していいの?なんて、


押し付けているだろうか。





「結局、なんで助けたの。
私だから、とか無し。」


叶「…………知りたいの?」




「え、あるの?ほかの意味。
カマってかけるもんなんだね。」


叶「いつか後ろから刺されるよ。」




「刺す気でいるの?」


叶「まさか。」





その時がもしあるとするなら、
追いかけるよ、僕は。



だって、そんなの、






理由なんて最初からひとつしかないんだからさ。


本当に、鈍いヤツめ。
そこも含めてなんだけど。

恋愛漫画みたいなワンシーンの如く。→←私なんか助けなきゃ良かったのに。



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ふしみや(プロフ) - 完結おめでとうございます!fwくんの新作も読ませていただきます! (2023年4月10日 8時) (レス) @page50 id: ab0c092877 (このIDを非表示/違反報告)
やた - まってまってここに神いるマ?ぇ、ほんとに好きですがんばってください好きです (2023年4月4日 15時) (レス) @page34 id: 2bbfab8645 (このIDを非表示/違反報告)
侏儒(プロフ) - 書き方がめちゃ好きです!後方腕組彼氏面で応援しまくってます!((ちなみに薺ちゃん推しになりました(( (2023年4月2日 19時) (レス) @page32 id: ea70dcd67b (このIDを非表示/違反報告)
ろぜった - 初コメ失礼します。すごくすごくすきです!主人公ちゃんも齋ちゃんもめためたかっこよくて最高です。これからも更新頑張ってください! (2023年3月29日 19時) (レス) id: 39b04079dd (このIDを非表示/違反報告)
ティッシュ - 最高です。主旨は違うかもしれないのですがもしや油夢を書く才能が輝いてませんか!?ココ最近で1番ドキドキしてます。あわよくば単体夢書いて頂きたいレベルで好きです。。最後まで応援させてください! (2023年3月28日 0時) (レス) @page26 id: 07e0444dac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2023年2月2日 9時

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