追加コンテンツは求めてないんだけどな。 ページ34
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見慣れたような褐色肌と、
それから、イヤリング。
聞き慣れてしまった声の主は1人だけ。
振り返ったのならば、そこに居たのは間違いなく君で。
ふと見えた叶の表情は、
なんだか嫌そうだった。
何あんたら、仲悪いの?
「イブラヒムくん、」
イブラヒム「やっほ角田さんと叶さん。
もしかしてデートしてた?」
「いや、葛葉くんに昼飯食べる時間取られたから、
それのお詫びとして。」
イブラヒム「そーなん?」
叶「まぁね、それでイブちゃんはなんでここに?」
イブラヒム「フレンたちの荷物係として来てた。
そしたら2人の姿が見えたから、ちょいと来ただけ。
角田さんこれほしーの?」
「いや、似合わないからいいよ。」
イブラヒム「似合うよ、角田さんに。
プレゼントしたげよっか?」
叶「欲しいなら僕が買うよ、お詫びだし。」
「いや、そこまで求めてないっていうか………。」
なんというか、なんて話しながらも、
私を挟んでバチバチし合う2人。
あれ、私なんかしちゃいました?なんていう、
なろう系になるつもりはないし、
絶対に私は何もしてない、っていう自信がある。
おいなんだこの不穏な空気。
乙女ゲーで言う断罪イベか、
修羅場ってやつなんじゃないの。
ヒロインになった覚えは無いけども!!
「いや、ごめん、イブラヒムくんは買わんでいいわ。
叶買って、それなら。」
叶「え、」
「だって今は、叶と遊びに来てるし。」
イブラヒム「…………じゃ、
今度は俺とデート行こう、A。」
「おい待て、許可した覚えはないぞ。
くっそ、お前らそーゆーとこだかんな!!」
イヤリングを取り、叶に差し出しては受け取られる。
それを見かねたのか知らんが、イブラヒムくんに言われるから、
振り返って異議申し立てをしてやった。
くいっ、と服裾を引かれた。
その本人は叶である。
くっそ〜〜〜こいつらなんなんだよ。
そう思いながら、叶を見れば、
柔らかな嬉しそうな笑みを浮かべていた。
それがちょっと分からなくて、首を傾げそうになった。
イブラヒム「今度は俺に贈らせて。」
「そこまでアクセサリーいらねぇ〜〜。
いいよ、これだけで。」
叶「イブちゃんの負け、」
「時代の敗北者はお帰りください。」
イブラヒム「そこまで言う??」
そう言いながら、手をヒラっとさせながら、
帰っていく背中を見つめた。
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ふしみや(プロフ) - 完結おめでとうございます!fwくんの新作も読ませていただきます! (2023年4月10日 8時) (レス) @page50 id: ab0c092877 (このIDを非表示/違反報告)
やた - まってまってここに神いるマ?ぇ、ほんとに好きですがんばってください好きです (2023年4月4日 15時) (レス) @page34 id: 2bbfab8645 (このIDを非表示/違反報告)
侏儒(プロフ) - 書き方がめちゃ好きです!後方腕組彼氏面で応援しまくってます!((ちなみに薺ちゃん推しになりました(( (2023年4月2日 19時) (レス) @page32 id: ea70dcd67b (このIDを非表示/違反報告)
ろぜった - 初コメ失礼します。すごくすごくすきです!主人公ちゃんも齋ちゃんもめためたかっこよくて最高です。これからも更新頑張ってください! (2023年3月29日 19時) (レス) id: 39b04079dd (このIDを非表示/違反報告)
ティッシュ - 最高です。主旨は違うかもしれないのですがもしや油夢を書く才能が輝いてませんか!?ココ最近で1番ドキドキしてます。あわよくば単体夢書いて頂きたいレベルで好きです。。最後まで応援させてください! (2023年3月28日 0時) (レス) @page26 id: 07e0444dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年2月2日 9時