通りすがりのモブAなんですけど。[ 終 ]

乙女ゲーの攻略対象になるつもりは無いけどさ。 ページ25

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イブラヒム side





多分きっと、その場合、




俺の方が惹かれてるのかもしれない。
あまねのことは好きだけど、


きっとそれは、女友達としての意味で。




2人の共通点は、自分の意見は変えないところとか、

真っ直ぐしてるところとか。
そんなとこが、似てるな、って思った。




だから、仲良くなれるって過信をして、


当の本人の気持ちも考えずにいた。






その先にあった感情の結末は、
最初からひとつだったくせに。



｢イブラヒムくんに可愛いって言われるのは解釈違いかなぁ。｣



イブラヒム｢じゃあ何が正解なわけ？｣

｢さぁ？だって私、
加賀美先輩と幸代さんの絡みが一番好きだから。
でも最近は、フレンさんとの絡みも好き！
なんなら言うとね、｣



イブラヒム｢多いな。｣


｢イケメンたちと可愛い人、美女との絡みが好き。
ただ、それに介入やらなんやらするのはいや。｣





イブラヒム｢なんで、｣

｢脇役は脇役らしい人生があるから。
よく言うじゃん、自分の人生では主人公って。
そんな事ない、そんなことあるはずがない。
決まった人間だけが、主人公の世界。｣





そうやって月明かりに照らされながら、


笑いながら言う角田さんは、
やっぱり少し変わっている気がする。

いや、変わってはいるけど。




まるで、自分は脇役なのよ、と話していた。


そんなの分かるわけもないし、
多分どれほど語られても分からないだろう。





けど、さっきの可愛いは信じて欲しいな。


そうやってあどけなく笑って、
好きなことに一直線なとこは、

可愛いと思うから。





｢悪役にでも、なんでもなるよ。
だから、イブラヒムくんには頑張ってもらいたいな！
幸代さん争奪戦！！｣


イブラヒム｢神様にしたくせに、とか言った後に、
よくそんなこと言えわな。｣





｢神様にしたことと、
好きと嫌いは別じゃない？知らんけど。｣





よくある乙女ゲームのような立ち位置。


ヒロインを手に入れるのは誰？なんて、
そんなことには興味が無い。

ゲームの世界だからこそ面白いだろうに。





そんな、攻略対象になるつもりは無いけどさ。


角田さんが望むなら、
それをやって見せましょう。






イブラヒム｢俺、角田さんのそーゆーとこ、
好きだけどな、素直なとことか。｣


｢っはは、幸代さんに言ってくれ。
解釈違いだから。
ギャルが陰キャに優しいとか怖い。｣





なんでギャル扱いなんだよ。

傷ついた心の意味を教えて。→←そうさせたのはあなたたちでしょう。

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