愛について問う。 ページ40
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家に帰ってからの第一声はこれだった。
大和「姉さん彼氏!?」
花「おくるまーー!!」
瑞季「本当に玉の輿になるなんて、」
蘭「A姉、流石!」
杏「ふった男じゃないの?カチコミは?」
遊「賭けに負けた!!悔しい!!」
これである。
私が悪かったから、
早く家の中に入れてくれないかな。
玄関でぎゅうぎゅう詰めになりながらも、
なんとか台所に辿り着いた。
パパの姿はなかった。
ココ最近、パパは帰ってきていない。
どっかで飲んでいるのか、
借金でもしてバラされたか。
まぁさすがにそうだったら、連絡は来るから。
気にしてないけども。
花「Aねぇね、」
「なぁに、花。」
花「かれしさん?」
「いや、違うよ。」
遊「いや、俺の賭けの勝ちだな!!」
「こら遊、パパみたいになるよ。」
杏「九割血は継いでるでしょ。」
「こら、杏。
そんなこと言わないの。」
杏「はぁい。」
珍しく姉弟たちだけの空間で、
少しは気が楽だった。
冷凍庫に保存しておいたご飯たちを解凍させる。
腐らないようにと保存させておいたパンも取り出し、
パパが居ないから、
少しだけの贅沢をした。
美味しそうに食べる妹たちを見つめては、
食べ終わった順にお風呂に入らせる。
その間に洗い物をしながら、
大和たちに話した。
「部費、払えるよ。
あと、靴も、新しいの買ってあげられる。」
大和「大丈夫だよ、スパイクまだ使えるから。」
「足のサイズ、合ってないでしょ。」
杏「縫い直せば大丈夫だから。」
「我慢させてばっかだもん。
少しは甘えていいから。ねっ、大丈夫。
2人とも修学旅行とか、行きたいでしょ?
少しづつだけど、貯まってるから、行けるよ。」
少し泣きそうな顔をされたから、
あら、ってしていれば、
泣かないようにとしているのを見つめた。
まだ泣き虫なんだなぁ、なんて考えながら頭を撫でる。
杏「こ、高校生になったら!
私がAねぇを、楽させるから!!」
大和「俺も、ちゃんとバイトして、稼いで。
ちゃんと、頑張るから!!」
まだ中学生のくせに、
そんな大人びたことを言うから、
馬鹿だなぁ、なんて思ってしまった。
あんたたちが幸せならそれでいいのよ。
笑って、元気でいてくれたなら、
お姉ちゃんは幸せだから。
だから、気にしないでいいのに。
これも愛、かな。
どうだろうね、わからないや。
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りす(プロフ) - 最高です!こんな言葉で言い表せないほど、良かったです!!読んでいる間は至福の時間でした!主様の作品はどれも好きです!応援しています! (8月22日 23時) (レス) @page50 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
まつり - 言葉の選び方が本当に素敵すぎて途中泣きそうになりました...これタダで読めてるってマジか!本出して欲しい切実に。 (5月16日 12時) (レス) @page50 id: 3541bd87bc (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - 最後の最後でやべーやつでわらいました笑笑 さすが玲王… (2023年3月2日 1時) (レス) @page50 id: 3f4ee46d03 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - 完結おめでとうございます!マジで最高でした!ヤンヘラ玲王くんいいですね。。 (2023年2月26日 2時) (レス) @page50 id: 648f5dae27 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 最高でした!!これからもご活躍を願っています (2023年1月31日 22時) (レス) @page50 id: 5a9946419b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年1月2日 22時