検索窓
今日:75 hit、昨日:628 hit、合計:350,042 hit

泣いた心は砂漠地帯。 ページ20

.





学校に行きたくないと、




心の底から思っていた。
けど、行かないとなーと思いながらの朝。

妹たちと途中までの道のりを歩く。





瑞季「A姉、失恋でもした?」




「したのかもしれない。」

遊「え、どこの誰が?」





「御影玲王。」


遊「大丈夫?カチコミに行く?」




「辞めなさい。」





はぁーー、っとため息を吐き出しては、
通学路の途中で別れる。


気持ち切り替えなきゃな、





もう辞めにしなきゃ。


そう思うしかなかった。
再度ため息を吐き出しながら、

学校に行く。





コソコソとしたような噂があった。


私のことかな、と思いながら、教室へ行けば、
それはただの自意識過剰だということが分かる。

なぜなら、周りの反応がそれだったからだ。





『今日転校生来るんだって!』




そんなアニメや漫画みたいなことが、
現実に起こるのか、なんてことを考えてしまった。


そんないきなり来るもんなんだ、と思っていれば、





変わらずに凪くんを届ける御影くん。






「あ、」



玲王「はよ、」

「え、あ、おはよう。」





それからは静寂だけが響いていた。




クラスメイトたちの声もなく、
視線は何か言いたげではあったけど。

そんなことを考えながら、




机の中にノート類を入れていた。





当たり前だ、前までのやり取りがないのだから。
だからといって、物珍しく見ないでもらいたい。


私は別に、何も無いのに。





「なんか用?」



玲王「今日の転校生、俺の婚約者なんだ。」

「………………は?」





その言葉の後に、クラスメイトは、
騒ぎ出していた。




なんで、それを私に言ったのだろう。


告白して、振られて、それで終わりでいいのに。




まるで、故意があるみたいで。
すごく嫌な感じ、って思う。

やっぱり、違うんだなぁ、何もかもが。





「関係ないよ、そんなの。」




玲王「……………わりぃ、じゃあな。」





そう言って、教室を去る背中を見つめた。




逃げ出したのは私で、
勝手に好きになったのも私。

それは間違いだと言うかもしれないけど。





あれは確かに、恋だったんだと思う。


馬鹿だなぁ、私。
振られたら諦めきれると思ったんだけどなぁ。

そんなことはなくて、





変わらずに挨拶をしてくれた彼がいたから。
思わず、机に顔を隠した。


あーー、これはかなり重症なのかもしれないな。

所謂ライバル登場ってやつ。→←人間っぽいね。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (605 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
974人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りす(プロフ) - 最高です!こんな言葉で言い表せないほど、良かったです!!読んでいる間は至福の時間でした!主様の作品はどれも好きです!応援しています! (8月22日 23時) (レス) @page50 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
まつり - 言葉の選び方が本当に素敵すぎて途中泣きそうになりました...これタダで読めてるってマジか!本出して欲しい切実に。 (5月16日 12時) (レス) @page50 id: 3541bd87bc (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - 最後の最後でやべーやつでわらいました笑笑 さすが玲王… (2023年3月2日 1時) (レス) @page50 id: 3f4ee46d03 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - 完結おめでとうございます!マジで最高でした!ヤンヘラ玲王くんいいですね。。 (2023年2月26日 2時) (レス) @page50 id: 648f5dae27 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 最高でした!!これからもご活躍を願っています (2023年1月31日 22時) (レス) @page50 id: 5a9946419b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ことり | 作成日時:2023年1月2日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。