推しが路地裏から飛び出してきた。[ 終 ]

パスポート持ってないです。 ページ49

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馬鹿みたいな日々を過ごした気がする。




記者会見を勝手に受けさせられてから、
怒涛の日々。



それから、ブルーロックの子達と、


U_20の試合が行われていた。




冴くんが日本でサッカーをプレーしてるのが見れた。
しかも特等席みたいとこで。



それにキャッキャしていたら、




冴くんに怒られた。


けど、仕方ないと思ってほしいよね。
だってこれでも、オタクなわけだし。




そう思いながら、試合の余韻に浸っていながら、

学校に来たのなら、
ザワザワとした騒がしさが響く。





それに、騒がしいなーと思っていたのなら、

その主は私の教室の扉を、
開けたのは、彼だった。




来客のカードを首から下げていた。






｢え、冴くん！！？？｣


冴｢このクラスか、｣

｢いや、あの、え？｣





冴｢行くぞ。｣


｢何処に？｣






冴｢スペイン。｣





うん、なんて？




彼からの言葉の意味が分からない。
確かに彼は今、

レ・アールにてサッカー選手をしているから、
スペインに帰る理由もわかる。

けど、でも。




それで、なんで私までスペインに行くの？


それが理解できなくては、
首を傾げてしまう。





けど、彼は私の意見を聞きやしない。



腕を掴み、いきなり引っ張っていく。


それに慌てながら、
駆け気味に追いかけてしまうが、

そもそも、あの。






｢冴くん、私パスポート持ってない。｣



冴｢は？｣

｢生まれてこの方、海外行ったことないから。｣





冴｢お前それ本気で言ってんのか？｣


｢本気なんだけど！？｣





その言葉に、彼は足を止めていた。




学校の廊下のど真ん中。
そう、ど真ん中である。


とても恥ずかしい。





これでも、恥ずかしい。





冴｢パスポート取りに行くぞ。｣



｢待って！冴くん、まって！！！
私は日本から離れないってば！ねぇって！！！
あと少しで卒業だから頑張って耐えて！！｣

冴｢うるせぇ、｣





｢私の話聞いて〜！？｣



なんて、ギャーギャーと変わらずにいた。




ダメだ、冴くんと話が合わなすぎてしまう。
悲しくなるからやめて欲しい。


ていうか、違うわ。




冴くんが人の話聞いてくれてないだけか。


いや、それもそれで悲しいな。
なんて思うけども。





｢じゃあ、結婚したらスペイン引っ越すか。｣




その言葉を漏らしたのなら、




冴くんに頭をはたかれた。
本当に分からないよ、君のことが。

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