Q . 私に彼氏が出来ない理由を述べよ。[ 終 ]

ちょろくて、可愛くて。 ページ5

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不破 side





不破｢合コンなんか行かんでもええやん〜〜〜。俺らの方がおもろいし、楽しいーーって。｣

｢なんだその彼氏みたいな言い方。合コンには行くよ。｣

叶｢いつなの？合コン、｣

｢来週の土曜日。｣

不破｢場所は？｣

｢え、なんで。え、やだ、こわぁい。サラちゃぁん、2人が怖いよ〜〜。｣

サラ｢駅前のカラオケって言ってた。｣

｢サラちゃん？？？？？？｣





別に、変なことを言うつもりもないけど、その子には俺たちだけが居れば良いと思った。恋という感情ではなかったと思う。単純なる支配欲求と独占欲からなる感情だ。縋るのも頼るのも、何もかも俺らだけでええやんって思い始めたのはいつからだっけな。そんなことさえ忘れてしまった。1年の頃から、ずーっと頼られて利用されてのチョロい子。ほんの少しお願い、なんてすれば簡単に全部を引き受けちゃう子。イケメンと可愛い子だけに、だけど。俺らがお願いすれば、最初は嫌がるもさらにお願いすれば、引き下がるという選択肢を何故か出さない子。




あ〜〜〜ほんとに可愛いな、チワワみたい。ていうか、いつも思うけど細いんよな〜〜。抱きしめる度に折れるんじゃないかって心配になる。あぁ、ほら。ほかのクラスの男子から教科書かして、って言われてるし。貸す度にいつも｢落描きされて返ってくるのなんなん。｣って怒ってるのに、忘れたように貸そうとするから、教科書を奪ってやった。意味がわからない、って顔されるけど、そんなの知らへんし。てか、人の物に書き込むってどーゆー神経しとんねん、わからんわぁ。





不破｢この前、落描きされた！って怒っとったくせに、もう忘れたのAちゃん。｣

｢あれ、そうだっけ。｣

叶｢そうだよ。しかも、ボールペンで。P68のとこ、｣

｢なんで知ってんの？恐怖なんだが。……ほんとじゃん、えぇ。もう人に貸すの辞めようかなぁ。｣

不破｢俺らだけに貸せばええやろ。｣

｢………まぁ、2人は大事にしてくれてるしね、貸したヤツ。｣





いや、人から借りたもん汚す方がどうかしとるやろ。
そう思いながら、教科書をペラペラ巡りながらため息を吐き出すAちゃんを見ながら、ほんの少し他クラスの男子を睨んだのならば、肩を揺らして逃げていく。ほんまにちょろいとこが心配なんだが〜〜？？ぎゅうって抱き締めれば、小さくて細くて柔らかくて。Aちゃんを守るの、俺らだけでええやん、ってまた思うだけだった。

男友達さえ出来ないんだよね。→←おばかちゃん。

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