嫌われる勇気、ありません。 ページ28
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そのあとに、葉山さんのお兄さんが、
大きな声で暴露していた。
『その女が主犯で冬は!!!!』
って声に、足を止めたのは乾くんだった。
その場から去って、
3人とも無言で歩いてから、
声がして。
乾「……………主犯は、Aなのか。」
その言葉にびくりっ、と肩を揺らして、
振り向いたのなら、
怒ってるような悲しそうな顔で。
なんて言うのが正解かも、わからなかった。
諦める、って言ったくせに、
諦めたくない、まだ好き、
嫌われたくない、私を愛して欲しい。
ドロドロとした、黒い感情だけが私を縛る。
あぁ、綺麗な女の子にはなれないみたい。
「うん、そう!!!
欲しくてたまらないから、
あわよくば、消えてしまえって。
好きで好きで好きで、大好きだから!!
どんな手を使っても、乾くんが欲しい。
だから、頼んだ、こうするしかなかった。
さいてー?知ってる、わかってる!!
それでも、君が欲しいんだ。
乾くんの全部が欲しい、
笑顔を向けるのは私だけとか、
その隣が私じゃないのが気に入らない、だから、
頼んだ、馬鹿だよね、ほんと。
手に入らないのに、こんなことして。
乾くんたちはよく言うよ、私の事、
普通なんだからって。
私、普通なんかじゃないよ。」
目からこぼれる涙の意味が、
私にはわからなくて。
乾くんは拳を握って、私の胸ぐらを掴んだ。
その傷付いた顔とか、
怒った顔とか、私に向けられたらいいのに。
その理由全部が、私ならいいのに。
「欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい、
乾くんが欲しい、なんでっ、
なんで、私のにならないの。」
乾「……………俺は物じゃない、
Aの物にもならない、
二度と冬に手ぇ出すな、わかったか。」
突き放されて、嫌われて。
そんな勇気もないのに、傷を負って死んでいく。
胸ぐらを離されて、走って去る背中を見つめた。
流れてる無色透明は、アスファルトの色を変えた。
「嫌われた、嫌われたけど、痛いなぁ。」
ズキズキと痛む心は、
まだ君を好きだと自覚させられる。
ふわり、優しい手つきは彼らしくて。
頭を寄せられて、胸元におさまった。
何も言わないで、ただひたすらに、
その胸元で、泣くことしか出来なかった。
悪役になりたいわけじゃない、
あの人のお姫様になりたかったのに。
どこで私は間違えたんだろう。
わからないよ、九井くん。
泣いたあとってバレるくね。→←人間どこで恨まれるかわかんない。
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サリー(プロフ) - ココくんが更に好きになりました!!神作品ありがとうございました!! (2月19日 15時) (レス) @page50 id: 197d152f6c (このIDを非表示/違反報告)
愚民 - これ以上のものは読んだ事がないってくらい素敵な作品でした。ありがとうございました。本当に心臓が押しつぶされそうになって見るのやめたくなった時もあったし、面白すぎてニヤニヤしてた時もありました。本当に最高です。これからも陰ながらずっと応援してます。 (2022年7月20日 14時) (レス) @page50 id: 59cc64d62b (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!神作品読めてホントによかったです!!次の新作も読みたいと思っちゃいましたwwwできればパスワード教えていただけたら嬉しいです! (2021年11月4日 21時) (レス) id: cefe0dde1a (このIDを非表示/違反報告)
み - もぉ〜ココくんの事一層好きになりました泣ギャグ線高くてこんなに感動する作品初めて出会いました!私の好みドンピシャです♡素敵な作品ありがとうございました。評価1回しか押せないの悲しいくらいです笑 (2021年11月1日 23時) (レス) @page50 id: f6714e7803 (このIDを非表示/違反報告)
ただのオタク。(プロフ) - 無茶苦茶キュンキュンしました! (2021年9月8日 13時) (レス) id: b6073e05a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2021年8月31日 16時