綻んだ赤い糸の先は。 ページ38
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聞きたくないのに、
嫌な程に乾くんの声が、私の鼓膜を刺激して。
だから尚更、わからなくなる。
私が好きなのは、乾くんのはずなのに。
それなのに、乾くんは、
昔からお前はココが好きなんだ、って言うから。
それなら、傷ついた心は、
泣いた時間は、高鳴った鼓動は、
嘘だって言うの?
いいえ、そんなわけない!
そんなこと、あっていいはずがない。
「諦めて欲しいからって、
そんなこと言わないでよ!!私の2年間を、
否定しないで!ばかにしないで!!
九井くんにされて、
乾くんならいいのにって思ってきた感情も何もかも、
違うなんて言わないでよ!!
私を語るな!!!」
ポロポロと、頬をつたい、流れていく涙は、
悲しいのか、怒ってるのか、傷ついてるのか。
そんなの、わからなかった。
目元を擦って、掴まれてるのを振り払った。
九井くんなら、九井くんだったなら、
きっとこんな時、
呆れながら、ため息つきながら。
九井『また喧嘩したのか、イヌピーと。
お前らの言い合いは、根拠がねぇんだよなぁ。』
って、困ったように笑いながら、
間に入って、取り持ってくれて。
知りたくない、そんなの嘘だ。
嘘なんだよ。
「っっ、九井くんはっ、だって、」
乾「……………A、」
「聞きたくない、」
乾「何かある度に報告するのは誰、」
九井くん。
乾「嫌なことあったら相談するのは誰、」
九井くんだ。
乾「隣にいてくれて、支えてくれて、
無茶ぶり言っても、叶えてくれたのは誰。」
「っっひっ、九井ぐん"、」
乾「ココは、お前が望むなら、
なんでも叶えようとする、何でもだ。
例えそれが汚れたことでも、なんでも。
じゃなきゃ、俺の彼女を拉致って、
精神ボロボロまで追い詰めようともしない。
おまけに、暴力沙汰だっておさめる。」
心当たりありすぎて、あれだけど、
いつもなにかやらかす度に、
結局付き合ってくれて、助けてくれて、
守ってくれた。
ずっと隣にいてくれた。
乾「命をかけて、守りたいのは誰だ。」
「ごごの"い"ぐん"でずっっっ、」
武道「Aさん、泣き方ブサイクって言われません?」
「う"る"ぜぇ、」
びーびーと、泣きながら、
乾くんは服の袖で、目元を拭いてくれた。
私の赤い糸の先は、乾くんだと思っていたのなら、
どうやら、その先は、
九井くんだったらしい。
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サリー(プロフ) - ココくんが更に好きになりました!!神作品ありがとうございました!! (2月19日 15時) (レス) @page50 id: 197d152f6c (このIDを非表示/違反報告)
愚民 - これ以上のものは読んだ事がないってくらい素敵な作品でした。ありがとうございました。本当に心臓が押しつぶされそうになって見るのやめたくなった時もあったし、面白すぎてニヤニヤしてた時もありました。本当に最高です。これからも陰ながらずっと応援してます。 (2022年7月20日 14時) (レス) @page50 id: 59cc64d62b (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!神作品読めてホントによかったです!!次の新作も読みたいと思っちゃいましたwwwできればパスワード教えていただけたら嬉しいです! (2021年11月4日 21時) (レス) id: cefe0dde1a (このIDを非表示/違反報告)
み - もぉ〜ココくんの事一層好きになりました泣ギャグ線高くてこんなに感動する作品初めて出会いました!私の好みドンピシャです♡素敵な作品ありがとうございました。評価1回しか押せないの悲しいくらいです笑 (2021年11月1日 23時) (レス) @page50 id: f6714e7803 (このIDを非表示/違反報告)
ただのオタク。(プロフ) - 無茶苦茶キュンキュンしました! (2021年9月8日 13時) (レス) id: b6073e05a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2021年8月31日 16時