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どうかヨダレを垂らしながら寝てませんように。 ページ15

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気づいたら朝で、気づいたら自宅のベッドなんて、誰が何を思うことだろう。




あのままカフェでのたくさんのケーキを食べて、まさか満腹になって車に乗った後に、即寝落ちするとは私も思わなかった。最悪だ、ほんとに。ヨダレとか垂らしながら寝てないかな、と思いつつ起き上がると、ケーキはご丁寧に冷蔵庫に入れられていた。鍵もバッグも机の上に置かれているのだから、やはり彼は紳士的だし、優しい人だなと思う。のそり、と起き上がりシャワーを浴びて、髪の毛を乾かす。密ちゃんに「ケーキテイクアウトのあるから、食べよう。」て連絡をすると「お前は天才か。」と言われてしまった。変なの、と思いつつ、風楽さんの連絡先を探す。ケーキと車、ありがとうございました、という文だけでいいかな?と思いつつ、送れば直ぐに既読になる。「寝顔可愛かったよ。」の言葉に、スマホを落としそうになった。





「どうか、あの高そうな車をヨダレとかで汚してませんように。」





それだけを祈りつつ、なんて返そうと思いながらも準備をする。靴を履き、部屋の中を見渡しては、昨日は風楽さん。部屋の中まで入ったんだよな、とか思っちゃって。そこに貴方はいないのに、どうにもあなたが居る空間は容易く想像出来てしまう。多分彼は、何処にだって行けるし、何処でも生きていける。全ての適性を持っているような人だと思う。それでも昨日、マフィアについて話してるのを聞いた時に、まるで逃れられないと言いたげな顔をしていた。血の関係か、そるとも立場上の話か。その全ては定かでは無いし、私が知る必要性なんてないのだけれど、寝ている時に右手の柔らかな体温は彼が優しい人だという証拠だと思った。大学に、行かなきゃ。





[ 突然来るのやめてください、驚きます。 ]

風楽[ 事前に言っとけば良かった? ]

[ 私にも予定あるので。 ]

風楽[ また出かけてくれるってこと? ]

[ 別に、それぐらい構いませんよ。けど、友達との予定もあるんで。 ]

風楽[ やった、じゃあまたお店、別のとこ行こうね。 ]





このやり取りだって、単純なる友達とする普遍性しかないやり取りのひとつだろう。それだと言うのに、文字から伝わるような嬉しそうな感情。普通に焦がれているよか、それともこちら側に憧れているのは分からない。けどでも、それなら多少なりは付き合ってあげようと思った。あなたが満足して、それで私から離れることを私は期待しているのだから。

親に迷惑さえかけなきゃなんでもいいよ。→←ちっちゃくて、軽くて、それでいて。



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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時

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