ガラスの靴は落とさない。 ページ42
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四季凪 side
シンデレラはガラスの靴を忘れてしまったから、王子様が迎えに来たというのなら。この子は、きっと、ガラスの靴を落とさなくても笑っていうのだろう。迎えに来い、と。そのような上から目線の命令さえも、きっと相手は頷いてしまいそうだ。あなたは、普通のハッピーエンドじゃ物足りないのでしょう?
「あきら〜、」
四季凪「なんですか。」
「Aちゃんね、ぷりんせすだいすきなの。」
四季凪「憧れますもんね?」
「んふふ、だぁって、かわいくって、きれ〜だからまわりは、かなしいことするんでしょう?」
四季凪「まぁ、殆どは、そうですけど。」
「だからぁ、Aがされたらいやなことしてくるひとたちは、しっとしてるんだもんね!」
四季凪「今どきの子供、メンタル強すぎだろ。」
あなた、本物の癖に、と思ったが違うか。魔界での立ち位置は存じ上げないが、少なくとも貴族の出、ではあると思ってしまう。実際に正装の時の名乗り方とかソレ、だと思うし。間違いなくご令嬢ではあると思う、そこらよりもの。いやそりゃ、依頼とかで見てきましたから。めちゃくちゃ沢山の、お金持ちとか。けど少なくとも、本物に近しいくせに憧れるとか、あるのか、そうか。ぼんやりとしたような思考回路を回しつつ、目の前で絵本を持ちながら言うAさん。まぁ実際に、白雪姫についてもそうだとは思う。自分よりも綺麗だと言われている白雪姫を、殺そうとしていたのだから。それをなぜこの歳で理解してるんだ。
頭を悩ませつつも「あきら、えほんよんで!」というオネダリに、私はいとも簡単にK . Oしてしまう。勝てるわけないだろ、この笑顔に。ぐぅっ、と喉を鳴らしつつも、膝上に座られてしまうから余計だ。柔らかなシャンプーの匂いが、鼻を掠める。そもそも読むの私でいいのか、と不安になりつつもシンデレラを読む。青いドレスに手を伸ばして、指先でなぞりあげるAさん。今度はこれでも欲しがるのか、となんとなく思っていた。カランコロン、と入店の音が響き、目線をそちらへとやれば葛葉さんが帰ってきていた。私の膝上から降り、すぐに駆け寄るAさん。弄ばれた気分、なんて思ってしまった。
「にーさまぁ!」
葛葉「面倒見てくれてありがとな、マジで助かった。」
四季凪「いえ、特別料金としてお安くしておきますので。」
葛葉「まぁじ?」
「A、あおのどれすほしい!!」
葛葉「ドレスはダメです。」
世の中には出会わせてはいけない存在がいる。→←壊れちゃいそうな小ささ。
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あめ - めっちゃこのお話好きです…!!更新待ってます!! (2月18日 22時) (レス) @page37 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - うわうわうわ待ってました大好きです。コメント失礼しました。 (2月7日 0時) (レス) id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
poco(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも楽しく読ませて頂いております!釈迦さんとの絡み最高でした!是非、他にも釈迦さんや釈迦さんのお子様との絡み等々投稿して頂けると泣いて喜びます(笑)応援しています! (2月6日 17時) (レス) id: 7086e430c4 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 初めまして、作品楽しく読ませて頂いております! 本編読む前に説明にある「わかった、オレが令和のドラえもんになる、待ってろ。」が好きすぎてそこから進めないことが多いですそれだけですありがとうございました!! ご自愛くださいー!(?) (10月24日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - とてもすきですかわいい (10月24日 2時) (レス) @page9 id: 7e54cbffac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年10月22日 0時