我儘プリンセスに寵愛を。[ 終 ]

悪かったって。 ページ5

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葛葉｢すんません、お迎え遅くなりました。｣

『あ、Aちゃん、お兄さん来たよ〜！』

｢に、さまっ、｣

葛葉｢遅くなって悪かったよ。仕事の打ち合わせ長引いちまって。ごめんな、待たせて。｣

｢お、そぃ、よぉ！！！｣

葛葉｢ごめんって。｣

｢にぃ、さ、まっ、さびしかった、｣

葛葉｢ん、ごめんな。仕事で遅くなった。今日はお前の、Aの食べたいデザート買って帰ろ、それで許してくんね？｣

｢あ、いすっ、｣

葛葉｢アイスな。｣

｢あと、もものぜりぃ。｣

葛葉｢おまっ、………わかったよ、ゼリーも買ってやる。｣

｢それとね、いちごみるく。にーさまの、ぶん、｣

葛葉｢そりゃどーも。ほら、帰るぞ、A。｣





思った以上に打ち合わせが長引いてしまった。
急遽打ち合わせが入って出勤はしたものの、やはり打ち合わせが長引いた。くろなんの打ち合わせだけではなく、案件の打ち合わせもあって。おまけに出勤してた他の奴らとのコラボの打ち合わせも、ってしていたのなら、予想よりも時間が進んでいた。やっぱり人間界での時間感覚が早すぎる気がする。打ち合わせの最中も｢妹ちゃん居ないの？｣とか｢連れてきてもいいよ。｣という言葉に｢うるせぇ。｣と返していたが。急いで迎えいかねぇーと、と思い、慌てながら迎えに来たのならば、涙を瞳に溜め込む妹。うるうる、としているのを見ると、胸が痛むのを感じた。




手を伸ばして、抱きしめる。震えた、掠れたような声で、兄様と呼ぶから、それに苦しくなった。悪かった、ごめんと謝りながら、好きなのでつるしかなくて。ぐすぐす泣きながら、アイスと桃のゼリーと言われ、ほんっとに我儘なやつだな？と思いながらも、まぁいいかとした。そうだよ、オレは甘いよ、こいつにだけ。そんなことを思いながら｢だっこ、｣という甘えに｢はァ〜？｣と声を出しながらも、抱き上げた。くっそ、ほんとに甘やかされ魔人になりやがって。そう思いながらも、くふくふっと嬉しそうに笑うのを見れば、まぁいいかと思った。





葛葉｢夜飯何がいい？｣

｢はんばーぐ、｣

葛葉｢ハンバーグかぁ。ウーバーいいのあっかな、｣

｢にーさま、りょーりしないもんねぇ、｣

葛葉｢ばか、しないんじゃなくて出来ねぇの。前電子レンジで皿割ったの、もう忘れたんか。｣

｢へちゃくそ。｣

葛葉｢兄様に下手くそなんて言うじゃありません！｣





ったく、そんな言葉どこで覚えてきたんだか。

休日に出勤とかめんどくせぇーだろ。→←結局ぐずるんじゃんよ、お前。

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