36. Myside ページ36
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最近、傑の帰りが遅い。
聞けば、今度何か大きい催し物をするから、その準備に手間取っているそうだ。
『………さみしいな』
傑を疑っている訳ではない。
外界から遮断されている今、信じられるのは傑の言葉だけだ。
あまり多くを語ろうとしない傑に、不信感が全くないかと言われればそうとは言い切れなかった。
悟とのことを話してから、傑はより一層私に愛情を注いでくれるようになった。
傑の行動の一つ一つから伝わってくる愛が嘘ではないことは、私が一番よく理解している。
傑が話したくないならそれでいい。
私はただ、ここで傑の帰りを待つことができるのなら、それでいいのだ。
ガチャ、と玄関の鍵を回す音がなる。
『おかえり!』
時々、傑は嗅いだことのない香水の匂いをさせて帰ってくる。
「ただいま、私の可愛いA」
それでも私が一番だと信じていられるくらいの愛を、傑は私に注いでくれていた。
—— 幸せだった。
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せつな - chiroru...さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。他作に比べ勢いで書いてしまっている節があり、読みづらいところがあるかもしれませんが、これからも読んでいただけると嬉しいです! (10月2日 1時) (レス) id: 617609c1ea (このIDを非表示/違反報告)
chiroru...(プロフ) - 続きめっちゃ気になります!切ない系なのがまた良いです!更新頑張って下さい、応援してます! (9月29日 17時) (レス) @page22 id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
せつな - 掛け持ち失礼します…!どちらも頑張って更新しますのでよろしくお願いします。 (9月28日 22時) (レス) id: 617609c1ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せつな | 作成日時:2023年9月28日 21時