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太宰さんが帰宅してくると、妙な胸のざわめきが、私を襲う。


それは、胸がはずむような、頬が緩むような、そんな嬉々とした感情。


『只今。ちゃんと利口に留守番をしていたかい?』

「..おかえりなさい。はい。してました。」


そう聞くと彼は満足そうに頷き、私を抱擁する。


彼の髪が中って擽ったい。

『....この儘じゃあ...時間が掛るね..』

「...時間?」

そう問うた刹那、勢いよく顔が近づき、強引に唇を重ねられる。


「んッ...!?ふ、ぇ、ぁ..」


接吻をしている間でも、彼の片手は私のシャツに侵入した。

その、大きな手が、お世辞でも大きいと云えない私の胸を包んだ。


『君...下着を何も着ていないのかい?』

暫く唇が離れ、彼が云う。

「ひ、ァさ、わらないで....」



『若し他の男が這入ってきたらどうした心算だったの?』

「ひ....、すみま、せん」


彼の眼が、私を捉える。

澄んだ眼。然しそれは、マフィアの血で汚れているのかも知れない。


『襲われて仕舞うよ?私みたいな男に。』



シャツの釦を手際よく外していくと、引っ剥がし、上半身は裸体をみせる。


「やめて、ください、恥ずかしいので、ッ」

こんな事をしたのは初めてで、頸から熱が上がってくるのを感じる。


『綺麗だよ。』


恍惚とした表情で、彼は私のあらゆる躰のラインをなぞった。


『もう君に優しくすることなんて、出来ないよ。』


「へ.....?」

『理性が持たない。君、私の事が好きかい?』


唐突に、そう云われては、応えに困って仕舞う。


「解りません...」


としか応える事はなかろう。

『そう。...では...解らせて上げるよ。』


今まで、顔や声を作っていたのも納得できる。

彼の声が、低く、地を這った。

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うどん(プロフ) - かりしゅまさん» どういたしましてどういたしましてどういたしましてどういたしましてどういたしまして (2018年10月11日 20時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
かりしゅま - ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうありがとうございますありがとうございますありがとうございます (2018年10月10日 22時) (レス) id: b0789ec004 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - まんじゅうねこさん» ティッシュあげます (2018年9月30日 21時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 月瀬ゆうめさん» そーれねっ (2018年9月30日 21時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ - やばい…太宰さんのツンデレが鼻血モノ…(出したくても鼻血出せない人) (2018年9月23日 15時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うどん | 作成日時:2018年8月15日 20時

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