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Page4前編『デェト』 ページ8

「ん”.....ん」

眼を微かに開けると、太宰さんの家であった。

「らぁざいさんん....」

ごろん、と寝がえりを打って太宰さんの顔をうががうと、

「ぎゃああ!?」


眼をぱっちり開けた彼がにっこりとほほ笑んで居た。

『そんな驚かなくても善いじゃないか....』

口をとがらせながら私の髪を弄ぶ。

そして好奇心に満ちた眼で、

『デェトに行かないかい?』

「っえ”?!今五時ですよ?!」

余所に置いてあった携帯に視線を移すと、早朝、五時をさしている。


『善いのだよそんなこと!さぁプリンセス!行こう!』

「えええ..待って今着替えますから___」


______
__

そんなこんなで太宰さんがお勧めするデェト(スポット)って....


「なんですか....此処。」

『川だよ?』

「否!心中なんか厭ですからね!?」

『今日はそんな事しに来た訳じゃあないよ〜此処は流が綺麗だろう?』

「今日は....って....」

なんて云いながら、太宰さんはそっと隣に座るよう促す。

相変わらずそういう所も恰好いいなぁなんて想いながらぎこちなく腰を下ろした。


『偶には善いだろう?』

「確かに....」

蒼黒い空に浮いている月が、川面に映って彼の云う通り美しい。


『あの...ね?Aちゃん。』

「なんです?」

首を傾げ乍彼の顔を伺う、少し耳が紅い様な。

「うわ...っと...」

急に黙って肩を抱き寄せられた。寝巻きである着流しの袖が、私をそっと包む。


『.....手を...繋がないかい?』


普段の彼の顔には似合いそうにもない、初々しい青年らのカップルと重ねられるようなぎこちない手つきで私に手を重ねる彼であった。

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月瀬ゆうめ(プロフ) - やった!有難うございます!!友達申請したのでよろしくお願いしまっす♪ (2018年8月12日 10時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 月瀬ゆうめさん» リクエストはしてないんですけど、ネタ切らしてたんで丁度書きますね!お友達、こんな私がなってもよろしいのですか?!ぜひお願いします! (2018年8月12日 9時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
月瀬ゆうめ(プロフ) - うどんさん» あの、リクエストよかったらSな太宰さんみたいです!!・・・・そして出来ればお友達に・・・・なってくれませんか!? (2018年8月12日 9時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 月瀬ゆうめさん» わわ!ゆうめさんですね!先程はコメントにお邪魔させていただきましてありがとうございます!ドSな太宰さんいいんですよね〜 (2018年8月11日 19時) (レス) id: dfb4fe35b0 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬ゆうめ(プロフ) - めちゃくちゃ期待しまくりましたっ!!太宰さんに躾られたい‥‥‥ とっても面白かったです!ドキドキしました/// (2018年8月11日 18時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うどん | 作成日時:2018年7月6日 22時

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