Page3前編『構ってほしいのだよ。』 ページ6
それはある日のことである。
「太宰さーん。」
『なんだーい?』
「居たんですか。」
早朝、私は早く探偵社に着いたのだが、何時も誰も居ない筈の事務所に彼が居た。
彼はソファに寝ころび、脚を端に乗せてくつろいでいた。
「.......何もしてないなら仕事してください。」
『やーだ。』
「国木田さん呼びますよ。」
『えー....』
コンピュータと見詰め合いながら、太宰さんと下らない会話を交わしていた。
突如後ろに気配。
「__なんです?太宰さん。」
『視て解らない?』
彼はにっこりとほほ笑んで両手を広げている。
「は?」
『ん?』
「何がしたいんです?私、仕事で忙しいんです。」
はぁ。と呆れたように溜息を吐き、ぐるりと椅子を回して作業に取り掛かった。
「そんな茶番してる暇があったら、一枚でも資料、を___」
『ふふふ...こうすればAちゃんは何も取りかかれない。』
背後から、抱擁された。
「なっ....なにがしたいんです!だ、ざいさん離して、ひゃっ?!」
抱擁の次は私の横にぬっと顔が伸びてくる。
『だーかーらー.....』
と云ったあと、彼は口を何やらもごもごさせている。
『構って...欲しいのだよ....Aちゃんに....』
何時もの涼やかな雰囲気と違った甘えるような声に、私は咄嗟に振り向いた。
『だって...はやく出社したのも...Aちゃんと...その。いちゃいちゃしたい訳で...』
「く....くく..なんですッ..その...真っ赤な..顔。」
『な、何を嗤って居るんだい?!』
構うんだったら仕事終わりでも、太宰さんの家でもいくらでもしますよ。と云いかけた言葉は、太宰さんの唇で喉から出てこなくなった。
「へ___」
『んふふ。』
ちゅ、とリップ音を立てて啄ばむようにされた接吻は、どんどん深くなっていく。
「んっ...だ...ざい、さ...あ..」
ぴちゃぴちゃと響く水音は、生憎私達二人にしか聴こえて居ない。
『だって....君が私を子供扱いするから。___私が大人の男だってこと、教えてあげないと。』
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月瀬ゆうめ(プロフ) - やった!有難うございます!!友達申請したのでよろしくお願いしまっす♪ (2018年8月12日 10時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 月瀬ゆうめさん» リクエストはしてないんですけど、ネタ切らしてたんで丁度書きますね!お友達、こんな私がなってもよろしいのですか?!ぜひお願いします! (2018年8月12日 9時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
月瀬ゆうめ(プロフ) - うどんさん» あの、リクエストよかったらSな太宰さんみたいです!!・・・・そして出来ればお友達に・・・・なってくれませんか!? (2018年8月12日 9時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 月瀬ゆうめさん» わわ!ゆうめさんですね!先程はコメントにお邪魔させていただきましてありがとうございます!ドSな太宰さんいいんですよね〜 (2018年8月11日 19時) (レス) id: dfb4fe35b0 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬ゆうめ(プロフ) - めちゃくちゃ期待しまくりましたっ!!太宰さんに躾られたい‥‥‥ とっても面白かったです!ドキドキしました/// (2018年8月11日 18時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うどん | 作成日時:2018年7月6日 22時