後編 ページ9
「あ”〜〜」
女史らしからぬ声で唸っていたのはA。
今日くらいは...太宰幹部と一緒に居たかった。
「誕生日...なのになぁ。」
中原幹部から頂いたのは万年筆だった。
書きやすそうな黒く艶のある高価な万年筆。
勿論嬉しい。
けど...
一番は、太宰幹部にもらいたかったのである。
なんでもいい。
期待していた私が悪かった。
只太宰幹部は、疲れた心を癒す為の玩具としか思っていないのだろうか。
「ぅう...」
駄目だ。泣いちゃ。
乱暴に涙をふき、デスクに向かう。
直後
バタン!!
其処には息を切らす彼___太宰幹部。
「え、あ。如何して此処に___」
ぶわり
涙があふれる。
太宰幹部は足早に私をひしと抱いた。
『悪かった。』
「そんな...なんで、誕生日...」
混乱している私の頭を撫で、外套から取り出したのは高価な箱に包まれた装飾品。
『之は...部下としての礼を含めての贈呈品だ。』
太宰幹部はその煌めくエメラルドの首飾りを私にそっと付けた。
『これで君は...私のモノだ。』
背筋が凍る。
『なんてね。』
にこりと笑い、私を抱き上げた。
姫抱き。
そして接吻した。
「ちょっと!!太宰幹部!」
『太宰”さん”。』
「太宰、さん...なにするんです__ん...」
私を黙らせるように無理に唇を押しつける。
それさえも
愛しい。
太宰さんの口から覗いた真っ赤な舌は、私の口内を乱す。
『なんか、誓いの接吻みたい。』
「誓いの接吻なら舌なんて入れませんよ。」
まぁそうだね。と太宰さんは珍しく微笑した。
『誕生日おめでとう。Aちゃん。』
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桜深 奏(プロフ) - うどんさん» そうですか… (2018年6月6日 7時) (レス) id: 9f2d58895d (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - どうやら最新作にURLが上書きされてしまったようです…何度もすみません… (2018年6月6日 6時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
桜深 奏(プロフ) - 問い合わせフォームにURLを教えて欲しいと言えば教えてくださる筈です! (2018年6月6日 6時) (レス) id: 9f2d58895d (このIDを非表示/違反報告)
桜深 奏(プロフ) - 今見たのですが、ネットの方でも作品が見れないので、問い合わせフォームに行った方がいいかもしれません。 (2018年6月6日 6時) (レス) id: 9f2d58895d (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - できませんどうしましょうえっと (2018年6月5日 23時) (レス) id: dfb4fe35b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うどん | 作成日時:2018年5月22日 23時