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「んぐッ……!!」
「はい、イイコだねぇ」
ころん、と口の中を小さな錠剤が転がった。
苦い事は無いが、謎の仄かな甘さが気持ち悪い。
「ちゃんと飲み込み給え。くれぐれも吐き出してはいけないからね?」
「んむ……」
「あぁ、水がないと飲めないか。うっかりしていたよ」
太宰はテーブルの上に置いてあったコップを手に取る。
先程まで彼が飲んでいたのか、中身はまだ残っていた。
コップを渡されたら、そこに薬を吐き出してやろうと思っていたが……。
「んんッ!?ん゛……ぐッ」
コップに口を付け、全て飲み干したかと思って見ていれば、そのまま唇を奪われる。
彼の口から水が流し込まれ、驚きと共に反射でそれを飲み込んでしまった。
………勿論、錠剤も一緒に。
「かはッ…!ゲホッゲホッ」
「大丈夫かい?ゆっくり、深呼吸」
咽る私の背を撫で、トントンと優しく叩く太宰。
私が咽た原因人物である彼にこうされるのは、どうも腑に落ちない。
「な、に飲ませたのよ……!」
太宰の手を振り払い、少しでも距離をとる為に、壁に自身の背を押し付ける。
「怪しいモノじゃあ無いさ。そんなモノ君に飲ませる訳ないだろう?
_____ほんのちょーっとだけ、"気持ち良くなる薬"だよ」
引いていた私の腰を自らの方へ引き寄せ、こつんと額同士がぶつかった。
至近距離で見える、狂気の灯った瞳。最早逃げることは不可能なこの状況。
浮気をして怒らせた私が悪いのだけど。自業自得だけど。
「ッい、や………ッ!」
「そんなに怯えないでくれ給えよ。元はと云えば、私から目を逸らしたAが悪いのだよ?
_____大丈夫、ちょっぴりお仕置きするだけだから」
覚悟し給え、と微笑む彼から地獄の宣告の
今の私は目を閉じて、太宰に身を任せる事しか出来なかった。
・考察
>>>身体に徹底的に教え込むヤンデレ気質とも云えます。
素直に従っておかないと、脅しに脅される上に、マフィア時代の彼がご登場するかも…?
気をつけてくださいね。彼はずっと
どんなに上手く隠せても、彼には絶対に通用しませんから。
Fin.
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好評だったら『嫉妬深い説』同様、シリーズ化しようと思っています(笑)
「このキャラで読みたい!」などありましたらコメントお願いします!
改めまして、yuuna様リクエストありがとうございました(^^♪
大変長らくお待たせいたしましたm(__)m
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182人がお気に入り
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雪見だいふく - このシリーズ大好きなので、続編書いて欲しいです!リクもさせていただきたいので、よろしくお願いします! (2021年10月22日 18時) (レス) id: 0b9e52d702 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 続編をお願いします! (2021年10月21日 22時) (レス) @page49 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみませんゴーゴリのヤンデレは…… (2021年10月5日 1時) (レス) @page45 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 上手だと思いますよ、棒人間しか書けない私にとっては羨ましいです。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - フョードルの制裁論お願いします (2021年8月22日 7時) (レス) id: 68ec6172c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2021年2月22日 21時