私の制裁論【ver.太宰治】 ページ23
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明日はななんと入学式(4.6.Tue.)。人生最後の入学式ですね……。
今回はyuuna様にリクエスト頂きました!
大変長らくお待たせいたしましたm(__)m
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______異様な寒さで目が覚めた。
見覚えのあるソファにローテーブル。
馴染み深い部屋の内装からして、私の部屋で間違いない。
問題は、
知人と別れた後、中華街を歩いていた処までは記憶にあるが、そこからはサッパリ覚えていない。
誰かに腕を掴まれ、路地裏に引き摺られた様な気もするけど……。
あのとき中華街にいた筈なのに、今は自室の床に寝転んでいる。
新手の異能犯罪か何かかと思うと、ぞわっと背中に冷たいモノが走った。
とりあえず身体を起こそうとすれば____手が動かなかった。
感覚を集中させてみると、手首に何かが巻き付いている事に気が付く。
十中八九縄で間違いないだろう。
「はぁぁぁぁ…何でこんな事に」
「こんな事、ね。心外だなぁ。Aちゃんの自業自得なのに」
何処か愉しそうな声と共に、私に細長い影が落ちる。
息を吞み顔を上げれば、蓬髪から覗く鷲色の瞳と目が合った。
「だ、太宰……」
「んふふ、おはようAちゃん」
そう云って目尻を下げた太宰の双眸に、思わず寒気がする程の狂気が灯っている気がした。
"ポートマフィア最年少幹部"という過去の肩書を知っているからこそ、私は彼の顔が怖くて仕様がない。
満面の笑みを浮かべているようで、目は全く笑っていないという、その表情が。
「さて、早速本題に入ろっか」
太宰は私を抱き起し、そのまま床に座らせた。
そして、包帯の巻かれた冷たい手が私の頬を包む。
「キミは昨日、何をしていたんだい?」
「……と、友達とご飯行ってた」
「その友達は女性かい?」
「………う、ん。女友達と一緒に…」
「へーぇ。女友達、ねェ」
口元を手で隠し、太宰はくつくつと嗤った。
「昨日。私は街を歩いていたのだよ、ちょっとした野暮用でね。そうしたら偶然キミの姿を見たんだ。
どこぞの男と仲睦まじ気に歩く、キミの姿をね」
自分から、ヒュッと息を吞む音が聞こえた。
同時に身体が凍ったかのように動かなくなった。
………今はただ、真っ黒い笑みを浮かべる彼に、怯える事しか出来なかった。
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雪見だいふく - このシリーズ大好きなので、続編書いて欲しいです!リクもさせていただきたいので、よろしくお願いします! (2021年10月22日 18時) (レス) id: 0b9e52d702 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 続編をお願いします! (2021年10月21日 22時) (レス) @page49 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみませんゴーゴリのヤンデレは…… (2021年10月5日 1時) (レス) @page45 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 上手だと思いますよ、棒人間しか書けない私にとっては羨ましいです。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - フョードルの制裁論お願いします (2021年8月22日 7時) (レス) id: 68ec6172c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2021年2月22日 21時