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「首領を含めた此処の組織の者たちは皆、キミたちの拠点にある部屋に閉じ込められている。窓から逃げる事も出来ないし、我々に対抗する手段もない」
私を背後から抱きしめたまま、ゆっくりと説明をする太宰。
笑いを耐えたような、愉しそうな声だった。
「私はね、キミが欲しいのだよ。Aの身体も心も、ぜーんぶ、ね」
「ッ！？ひッ、あぁ……」
「ねぇ＿＿＿＿＿＿＿＿"私のモノになって"」
怖い。怖くて、震えが止まらない。
逃げる事を許さない腕の中で怯えて、話すことすらままならなくなり固まっていれば、耳元で溜め息が聞こえた。
「はぁ……、もしもし。隣の＿＿＿」
「分かったッ！貴方と一緒に行くから…ッ！！だから……だからもう止めて、殺さないで」
たかが作戦参謀の私のせいで、組織全体の命が奪われるなんて耐えられなかった。
＿＿＿＿…罪悪感で押しつぶされそうだった。
カタカタと震える私とは裏腹に、太宰は満面の笑みを浮かべていた。
「んふふ…、やぁーッと言ってくれた」
腕の中という名の檻から私を解放し、ひらりと私の前に立つ。
その瞬間、最後の抵抗とばかりに。＿＿＿＿私は彼に仕掛けた。
『異能力＿＿＿＿』
私の異能は風を操る。水の中にさえいなければ、何処にいても使える。
自分の周りを竜巻で囲い、ソファから立ち上がって距離をとろうとした。
刹那＿＿＿白っぽいような、水色のような。輝く文字列に包まれる。
「『人間失格』ッと。＿＿＿＿私に異能攻撃は通用しないよ、作戦参謀さん？」
頼みの綱が、プツンと切れた瞬間だった。
完全に見落としていた。確かこの人の異能は＿＿＿＿…無効化、だ。
絶望からか、床に崩れ落ちた私に、太宰が穏やかな足取りで近づく。
「うーん、異能で暴走されても困るし。……ちょっと眠ってもらおうか」
ニコリと笑みを浮かべた太宰は私の手首を引き、首後ろに手刀を落とした。
朦朧とする意識の中、最後に彼の声が聞こえた。
「やっと"私のモノ"になったね、A」
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雪見だいふく - このシリーズ大好きなので、続編書いて欲しいです！リクもさせていただきたいので、よろしくお願いします！ (2021年10月22日 18時) (
レス) id: 0b9e52d702 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 続編をお願いします！ (2021年10月21日 22時) (レス) @page49 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみませんゴーゴリのヤンデレは…… (2021年10月5日 1時) (レス) @page45 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 上手だと思いますよ、棒人間しか書けない私にとっては羨ましいです。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - フョードルの制裁論お願いします (2021年8月22日 7時) (レス) id: 68ec6172c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2021年2月22日 21時
