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「銀八、次お前も授業だろ」
「よくこんな外で寝れるよね」
教育大っていうのは自分が想像していたよりもハードだった。
授業もキツキツにつまってるし、集中講義だ何たらと毎日毎日大学に通っていた。
大体授業も一緒で特に気のあった高杉とAとはずっと一緒に居た。
「バイト遅かったんだよ」
「…居酒屋のラストまでってしんどいでしょ」
「時給いいからいいんだよ」
「よくわかんねえけどそんな体力削ってまでバイトする意味あんのか?」
訂正。
根っからのボンボンな高杉とは気が合わなかった。
小さいことで言い合いしたりたまには掴みかかったりそんなこともあったがそんな時には絶対にAが仲裁に入って俺らをたしなめてた。
そんなAを俺は好きだった。
そんな話をしたわけではないがきっと高杉も。
鈍感に見えて意外と人のことを見てるAはきっとそんな俺らのことをある程度察していたと思う、でもこの心地良いこの関係を崩さないために俺ら三人はこのことをだれ一人口にしたりしなかった。
そんな風に続けてきた俺らの関係は卒業を控えたある日に一気に崩れる。
「もーさ、卒業じゃん俺ら」
「あ?」
「俺と高杉はなんの縁か知らねえけど就職先が一緒じゃねえか、
でもAとは離れちまうわけじゃん、この機会に俺ら告っちまわねえ?」
高杉と二人で飲んでいた時に酒の勢いでそんなことを口走った。
いつものそいつからだったら何馬鹿言ってんだと跳ねられると思ってた。
でもそいつは静かに焼酎を飲んで、俺を真っ直ぐ見据えてきた。
「…んだよ、」
「…俺、Aとそういう関係だぞ」
「、は?、…付き合ってんのか?」
「−−−いや、…なんつーか、体だけ、」
バツの悪そうにそういった高杉の表情はいまでもよく覚えてる。
絶対に忘れられない。
・
「銀八!」
「あ?」
「なに寝てるの、…ほんと信じられない」
あー、夢だったのか…。
なんとも懐かしい夢を見た。
一気に現実に引き戻されて目の前にはなぜか机やら椅子やら近藤やらが散乱した教室があった。
「学祭の展示、お化け屋敷になったけどいい?」
「おー…分かった」
*
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作者名:野崎 | 作成日時:2019年9月6日 19時