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34 涙 ページ36

「てめぇら、俺の女に何してんだよ。そんな汚ぇ手で、、、、、Aに触ってんじゃねーよ」



そのセリフを言い切る前に、舞った。宙を、舞った。人が宙を舞ったのだ。
初めて見る光景。私は目を疑った。


ダッと音を立ててこっちに走ってきたた思ったら突如聞こえる鈍い音。しかし舞ったのは私でも、蘭さんでもない。蘭さん達の部下の1人だ。


そこでようやく理解できた。


マイキーくんは蘭さんを狙ったんだろう、でもそれよりも早くマイキーくんが来ることを察知して近くにいた部下を自分達の間に挟み、蘭さんは無事、部下は宙を舞ったのだ。



「てめぇ、卑怯なマネしてんじゃねーよ」



怖い。今のマイキーくんをみて久しぶりに浮かんだその感情。指先が震える。



「俺の女、ね、まだちげーだろ?」


「は?」


「Aちゃんから聞いた。"ただのお友達"なんだってな。なに彼氏面してんの?」



見なくてもわかる。今までで1番マイキーくんは怒っている。
それでも蘭さんは止まらない。



「仲良くなったら彼氏面か、中学生の頭はゆるゆるで羨ましいな。そんなに大事なら、、」



グッと近づく蘭さんの顔、驚いて固まった次の瞬間


唇に感じる熱と痛みと鉄の味。



「こいつに俺のモンって、名前でも書いておけよ」



キス、、された。しかも口に。私のファーストキスは強引にも蘭さんに奪われた。唇を噛まれたのだろう、心臓の鼓動にあわせてズキズキと痛む。

涙が溢れた。これが痛みからか、ファーストキスを奪われた悲しみか、はたまたその両方か、私にはわからなかった。


そのとき、優しく地面に降ろされる。何が起こったかわからず蘭さんの方を見ると見たことない表情をしていた。



「チッ、、はー、冷めたわ。別に女泣かせる趣味はねーし、ましてやAちゃん泣かせるとか、、、今回のとこはAちゃんに免じて引き上げてやる。でもマイキー。次はねぇぞ」



車に乗り込み去っていく蘭さん達。
緊張の糸が解けたのか、力が抜けて立ち上がることができない。
直後、甘い匂いとそれに対比するような荒っぽい腕、私より少し高い体温に身体が包み込まれた。



「ごめん、、」



生きてきた中で1番弱々しく消えてしまいそうなセリフ。不器用なマイキーくんを、私はそっと抱きしめ返した。



『私こそ、ごめんなさい』

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夜雨(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます!引き続きよろしくお願いいたします! (2021年12月10日 2時) (レス) id: c5510bc437 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 待ってました!最高です( ; ; )1回読んで、また同じところ何回も読んでます。更新頑張ってください!応援してます。 (2021年12月10日 0時) (レス) @page40 id: bc1eb98a2f (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございますㅜㅜとてもうれしいです!!明日は投稿するので、そちらも楽しんでもらえたら幸いです!ほんとうにありがとうございます!! (2021年12月5日 1時) (レス) id: c5510bc437 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 毎日めっちゃ楽しみで、マイキーの夢小説のなかで一番胸きゅんで大好きです!普段の何気ない生活にこんなワクワクさせてくれるお話は初めてです。引き続き更新楽しみに待ってます(*^_^*) (2021年12月5日 0時) (レス) @page35 id: bc1eb98a2f (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - はなさん» 外したつもりが着いていました、、コメントほんとにありがとうございます( ;; ) (2021年11月16日 18時) (レス) id: c5510bc437 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜雨 | 作成日時:2021年11月13日 20時

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