居ない。side秋 ページ39
白恋中学校でエイリア学園、ジェミニストームとの試合。
今までとは全く違う動きでジェミニストームと渡り合った雷門の皆は、ようやく、念願の勝利を収めた。
勝利の喜び、3度目の正直を持って。
勝利の喜びを噛み締めていた時、いつもとは違う様子で、ぼーっと…ジェミニストームの方を見つめていたAちゃん。
そうして、新たなるエイリア学園、イプシロンが現れた時Aちゃんは突然立ち上がり、力の入らなかった足からその場に崩れ落ちて。
今にも泣き出しそうな表情で、確かにレーゼに手を伸ばしたんだ。
どうして…？
レーゼの方を見れば笑っているのがわかった。さっきまで、確かに恐怖に怯えていたのが目に見えてわかったのに。
ジェミニストームの宇宙人はみんな、笑いかけて消えていった。
その直後、Aちゃんは倒れ込んだ。
名前を呼べば、私の名前をしっかり呼んでくれたのに…誰か知らない人の名前を口にして、気を失ってしまった。
「木野さん、Aさんは普段からよく気を失ってしまうの？」
病院へ監督と一緒に付き添えば、待合室で心配そうな監督に静かに首を横に振り。
「覚えてる限りでは、1年生の時に1度だけ。それからずっと検査入院をしていたので…最近は倒れるなんてことありませんでした」
本当に…？疑問が浮かんで。
意を決して、監督に伝える。伝えないと、いけない気がした。
「Aちゃんのことは、私よりも豪炎寺くんの方がよく知っています。雷門で、1番信頼されてるのは豪炎寺くんです」
そういえば、監督は一瞬だけ表情が変わって。すぐいつも通りの監督に戻ったけれど、確かに動揺の色が見えた。
中々目を覚ますことの無いAちゃんを待つことは出来ない、と監督の言葉に円堂くんも染岡くんも、風丸くんも。皆が納得して先を急ぐことにした。
「Aさん、すぐに合流出来ますよね」
「…うん、きっと大丈夫よ」
キャラバンに揺れながら、次の破壊予告のあった京都の地まで私達は向かった。
.
漫遊寺中学校で、木暮くんに出会って。
色んなイタズラをされる中で、ふと思って。
「Aちゃんがいたら木暮くんと仲良くなれたかな」
「あ〜。Aなら木暮に偏見持たないで、向き合ってくれるさ。だから…心配する事なんて無いなっ｣
「うん！さすが円堂くん。Aちゃんのこと、ちゃんとわかるんだね」
廊下を2人で歩きながら円堂くんへ笑いかけたら、そんな事ないさ、と空を仰いだ。きっと、豪炎寺くんの方が…。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
