猫はよく寝るので。* ページ14
それから、合宿みたいな暖かい時間。壁山くんと栗松くんのコントを見ていっぱい笑って。
「そろそろ時間ね。女子はこっちよ」
雷門さんが転がしただけで出てきたテントにいそいそと入り込む。
頭を中心に皆で横になった。
雷門さん達が円堂くんを好きか否かで話始めれば、皆の声を子守唄に簡単に眠りにつく。
「すぐ寝ちゃったね」
「あんなにいっぱい寝てたのに」
「まあ、猫は沢山寝るからいいんじゃない？」
「それって、Aさんが猫っぽいってことですか？」
「え？Aって猫なんだなあ」
.
翌朝、ホイッスルの音で目を覚ませば、瞳子監督の「起床！！」という短い発声でのっそり寝袋から起きれば…起きれば…。
「起きてAちゃん！」
「わー！倒れる倒れる！」
瞼を擦りながらのそっりと、座席に座り込んでシートベルトをして。
よし。
膝を抱えてまあるくなって。
おやすみなさい…。
「おまえ…少しは起きてろよ」
「あだ。何も叩かなくても…ふあ、あ〜っ…」
大きな欠伸をして、叩いてきた染岡くんをちらりと見てから外を眺めた。
皆はわいわい色んな話をするけど、染岡くんと話すことも特にない。
「なあA」
「何ですか」
「豪炎寺とは幼馴染だったのか？」
特に話すことは無いはずなのに。
「違うよ。入院中に出会ったの」
「は？それって去年のか？」
「そうだけど、何で？」
何でそんなに知りたがる？？染岡くんをじっと見れば、ごめん、気になっただけだと短く謝られた。
「Aって人見知りだろ？だから、口数も少ない豪炎寺とよくあんなに仲良くなったなって思ったからよ」
「んー…」
なんて言えば染岡くんに伝えられるだろう。
語彙力ないんだ、私。小さく唸り声を上げてから。もう出会ったことをそのまま伝えようと決心した。
「初めて会った時と雷門で再会した時2回ともタックルしてる」
「はあ？お前が？」
「事故だけどね」
病室から飛び出したこと、校門の塀を飛び越えて下敷きにしたことをありのまま話せば、染岡くんは修也くんを尊敬していた。
「よく怒らなかったよな」
「笑ってましたね。口開けて」
「そんな笑顔だったのかよ」
「物凄く。堪えられないくらい笑ってた」
想像できねえな、と楽しそうな染岡くん。
きっと、修也くんの居ない空白を修也くんの話で埋めたかったんだろう。
ありありと伝わるその切なさに胸がちくんと痛む。
「じゃあ最初から豪炎寺とは平気だったんだな」
「あー……うん…」
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
