自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ41)

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お化け。ページ41

「そういえば、修也くん準備が早かったしみんなも集まるの早いね」
「そりゃ解散が早めだったからな」

うん？
修也くんをちらりと見れば、ふいっと顔をそらされた。染岡くんを見れば鼻で笑われた。

「Aが終わらないから声かけられなかったんだよ。先生に言われて一旦帰ってるから気にすんな」
「修也くん……なら、ずっと近くで待ってたの？嘘でしょ？言ってよ！」

ぐわっと肩を揺らせば、乾いた笑い声で誤魔化してくる。
気を遣わないように、と気を遣われるのが腹立つ〜〜！！中身までイケメンか。

しばらくすると、興奮したのか栗松くん達は枕投げを始める。
木野さんが止めているにも関わらず音無さんまで一緒になって……。
流れ弾が、土門くんと一之瀬くんと話をしてた染岡くんの後頭部に命中して怒られる。

「ふふ」
「1年はやっぱ可愛いねえ」

半田くんに枕を自慢をしていた宍戸くんも見ては、お姉ちゃんってこういう気持ちなのかな…と目を輝かせてしまう。
あ、ちょっと修也くんから冷ややかな視線が。

「お前ら、何しに来たんだ……」
「あ、円堂くん」

気の緩みきった皆を少し呆れたような目で円堂くんが。
修也くんの腕の服を少し引いて、ねえ、と耳打ちするように話しかければ不思議そうに少しだけ屈んでくれた。

「円堂くん、まだ難しそう？」

困ったように眉を下げた修也くん。緊張の糸が緩み始めた皆と違って、円堂くんはぴりついたまま。
その、アフロディさんっていう人がそれだけ円堂くんの恐怖心を増長させたのだろう…。

「ほら、みんな！お夕飯のカレー作るよー」

木野さんに声をかけられ皆いいお返事で荷物をまとめて外へと出ていく。
すっかり夕日も沈みきった夜空の下で、カレーを作り始める。

木野さんの指示の元、役割分担。修也くんは大量のじゃがいもの皮を音無さんと剥き始めて。
え、私は？木野さんに何故か手を引かれて、別働隊に呼ばれる。

カレーも順調に出来上がる頃、学校中に悲鳴が響き渡って地鳴りの勢いで壁山くんが走ってきた。
お化けがいる、と聞こえて慌てて修也くんに駆け寄り話を聞けば、お化けじゃなくて大人だと影野くんが教えてくれた。

「大人？でも、響木監督も場寅さんも菅田先生もここにいるし」

木野さんに言われ、確かにと大人の顔ぶれを見る。半田くんが影山は？と。反射的に、腰に手を当ててた修也くんの左腕に手を伸ばせば一瞬だけ視線が交わる。

「違うよ、影山さんが怖くて。お化けじゃないからね」

笑うなし。