自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ6)

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朝練はぷにんぐ。ページ6

翌朝、いつもより早く起きれたので(お姉ちゃんに強制的に叩き起されたので)朝練に向かう。

「あ！おはようタマちゃん」

んなあんと、塀の所でうたた寝をしていたハチワレの猫に挨拶をする。掛けよれば首輪についた鈴を鳴らす。ぐーっと前足からしっぽの先までぴーんと伸ばせばご機嫌に喉を鳴らし始めた。

「タマちゃんは朝早いんだねえ。フクさんはまだお眠かな」

当たりを見ればまだ猫の気配はなく、皆寝始めた頃なのだろうか。
仕方ない、また帰りにねとタマちゃんの頭を良く撫でてから学校へ向かう。

「わあ！ボス〜！！」

石垣でふんぞり返って寝るさび柄の我がままボディのボス。
おはよう、と鼻先に指を近付ければふんふんと匂いを嗅いで軽く挨拶を。
ボスも朝早いんだねえ、とお腹を撫でていればお家の人がゴミ袋を持って出てきた。

「おはようございます」
「今日は早いのねえ」
「サッカー部の朝練があるんです！明日から大会なんです」

朝練？と首を傾げられ、思わずきょとんとすればもうすぐ8時になるよ、と言われた。朝練…？この時間だと日直の人の時間なのでは？
おばあちゃんとうふふふ、と笑い合い行ってきます！と駆け出した。
走り去る背中でおばあちゃんの行ってらっしゃいという声を受け取って。

校門を駆け抜ければ先生が何かを言ってた。

「やっと真面目に学校に来る気なったんだなあ！」
(絶対違うと思います、先生)

グランドへ直行すれば1年生がサッカーボールを持って坂を登っているところだった。遅かった。

「Aさん珍しいッスねこんな早く。日直ッスかね」
「そんな理由で早く来るわけないでやんス」

部室へ向かい扉を開けば、修也くんと目が合った。
目をぱちぱちと瞬きして放心していると、慌てた修也くんに腕を引かれて中へ入る。急いで風丸くんが部室の扉を閉めた。

「っておい！！追い出せよ！！」
「〜っうわぁあぁあ！！！！」

染岡くんの怒鳴り声と半田くんの悲鳴に、風丸くんのノックをしろよ…という呆れ声。それよりも、行き場を無くした手が修也くんの肌に触れそうで、掴まれたままの腕が暑い。

「染岡、その辺にまだ使ってないタオル無いか」

ほら、と修也くんはタオルを受け取り私の顔を覆うように優しく渡してきた。持ってろ、と言われて頷けば向こうむいてろ、と回転される。

「この時間は着替えてるんだ、悪かったな」
「私の方こそごめんなさい」
「半田に謝ってやれ、あいつパンツ一丁だったろ」
「修也くんしか見てなかった…」