自由な君と。- 豪炎寺修也 -

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思い、重い、想い。* ページ13

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病院へついて、夕香ちゃんの元へ。病室へ入る前ノックする手が震える。
初めて見た、修也くんだった。

こんこん、と優しくノックしても返事はなくて。
小さく息を吐いては、吸って。「夕香、ただいま」と入っていく。
固く閉じられた瞼。

「夕香ちゃん、久しぶり。Aだよ」

手に優しく触れ、今日学校で修也くんに会ってびっくりしたんだよ、と語りかける。その様子を窓辺に寄りかかって静かに聞いていた修也くん。

「そろそろ日が沈むな」
「面会終わっちゃうね」

また来てもいいかな、と夕香ちゃんに聞いてみる。
ちら、と修也くんを見てみると肩を竦めて、好きにしろ。と一言だけ。

「あっ！とっておきの場所があるんだ。今から行かない？」
「今からって…」
「すぐだよ！早く早く！」

浮かない顔の修也くんの腕を引っ張り走り出す。小走りになりながらとっておきの場所を目指した。

「どこへ向かってるんだ」
「ついてからのお楽しみ～！」

日が沈む前に、そこについた。

「ここは？」
「鉄塔広場！」

とんとん、とリズム良く階段を登れば丘の上から街が見える。
オレンジの空に頬をくすぐる風が心地よい。

「あ！ちょっとジュース買ってくるね！待ってて」
「おい、」

引き止められたけど遠慮しないで！と手を優しく払い、自販機までかけていく。
相変わらずラインナップがちょっと渋い自販機。
炭酸飲料への熱い思いを感じ取りながらも、致し方なくただのお水を買うことにした。

不意に、風がどっと吹き髪の毛が広がる。
ついでに舞ってしまったスカートはしんどい。誰もいなくてよかった。
駆け足で修也くんの所へ行くと、円堂くんがいた。

「あれっA！」
「円堂くん、なにそのタイヤ」
「ここで特訓してるんだ！」

そうなんだ、と笑いあっていると、何も言わずに修也くんが帰り始める。えっ…私を置いて？
慌てて円堂くんにお水を押し付ける。

「特訓頑張ってね、」

黙って急ぎ足になっている修也くんの後ろをせっせと着いていくけれど、追いかける必要はないのでは？

「修也くん」

声をかけても修也くんは止まらない。
ね、今何を考えていますか。円堂くんと何を話したんですか。

「修也くん！」

駆け足で追いついて、ぐんっと腕を引っ張る。
よろけてしまい修也くんの胸の中へ収まってしまった。

「何してるんだ」
「呼んでも返事してくれないから」

ぶつけた鼻を擦りながらお水を渡す。

「何か言われたの？」
「練習試合、帝国が相手なんだな…」

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