自由な君と。- 豪炎寺修也 -

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転校生と。* ページ11

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同じクラスだと言うことがわかり、嬉しい気持ちでいっぱいになりながら教室へ向かう。

ついこの間まで木戸川の緑の制服を着ていたその人が
今、同じ制服を来て、同じ校舎で、隣を歩いている。

「……雷門だったんだな」
「うん」

あ、ここだよ。と教室の扉をがらっと開ける。
教卓には先生が立っていた。

「A……お前、今何時だと」
「……あ、の」

忘れてた。

くん、と鞄を引かれて後ろへ下がると、ぽすりと修也くんの肩に頭部が触れるのがわかった。

「すみません、案内してもらっていて」
「迷わずこれたならよかったよ。A、早く席につきなさい」
「はい」

慌てて教室へ入り、先生は修也くんを転校生です。と紹介した。

「あー！！」

修也くんを指さして驚いている円堂くん。

「なんだ、知り合いか？」
「いや、知り合いってわけじゃないんですけど……」

ホームルームが終わると、わっと駆け寄ってくる円堂くん。
木野さんも一緒に不思議そうに駆け寄ってきて修也くんを真ん中に、大きな声で話し始めた。
サッカー部への勧誘をしてるみたいで、浮かない顔の修也くんは一切視線を合わそうとしなかった。

「サッカーはもう……やめたんだ」
「えっ……どうして、」
「……俺にかまうな」

取り繕いようのない空気が3人の中で流れて。
何とも、話しかけにくい雰囲気に私はどうしたらいいものかと、立ち上がった席にもう一度腰を下ろすしか無かった。

「円堂！冬海先生がお前を呼んでるんだよ、校長室に来いって」
「校長室……？」
「大事な話があるって。……俺……嫌な予感がするんだ……廃部の話とか……」
「廃部？！」

円堂くんの声に思わず肩が跳ね上がった。声が大きいんだな…。
私もそんな噂聞いたことある…と、木野さんが肩を落とす。
冗談じゃないぞ！と教室を出ていってしまった円堂くん。

円堂くんを追って、木野さんと半田？くんが出ていく、3人の後ろ姿を見送ってから、重たい表情の修也くんの元へそろそろと近寄る。

「修也くん、」

ちらりと視線を合わせてくれる。

「廃部……」
「あー、うん。人数居ないし、グランドも使えないらしいんだ」

パーカーの袖を何となく触っては、何を話したらいいんだろう、とか
なんて言えばいいんだろう、なんて考えて。

「あの、」
「……ふっ、ごめっ……」

肩をふるふるさせて笑いだした修也くん。
さっきのお腹へのタックルを思い出してるの？！

「ごめん、病院と全然態度が違うから、つい」

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