自由な君と。- 豪炎寺修也 -

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豪炎寺くん。* ページ2

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お姉ちゃんが帰ったことを確認するために扉を開けると、さっきの男の子がいた。

え…。

気まづそうな表情を浮かべられる。私だって気まづいんだけれども。
初対面で知らない人に体当たりをした暴走中学生なんぞ、何回も会いたくないでしょう？

なんなんですか？一目惚れされたの？かかってこいっ！

「すまない、花を落としてしまって」

手には包みが寄れてしまった花。私のせいだ……。

「ごめんなさい、私が飛び出したからですよね」
「ああ。患者さんとぶつかると大変だから、今後は落ち着いて行動するようにしないと…お互いに怪我してしまう」

次はゆっくり扉を開けるんだぞ、と困ったように笑いかけられる。
先程の自惚れた自分を誰かぶん殴って下さい。

そうだよね…、病院だもんね。

しゅん、と肩を落として気を付けます。と深く頭を下げた。
お花の弁償とかしないと……だよね？ちらりと見上げると、特段気にしていないのか微笑み返されてしまった。

「よかったら、お花の弁償…とか」
「気にしなくていい」
「でも、流石に…」

何かないか…病室を見てお姉ちゃんが置いていってくれた紅茶を見付けた。

「よかったら！」

ぐいっと腕を引き病室へと招き入れる。

「私ね！紅茶が大好きなんだ！君は好き？珈琲もあるよ」

お詫びに好きなのどうぞ。と並べられたボトルたちを指さす。
どんだけ飲むんだ、と肩を震わせて笑うその仕草に少しだけ頬が赤くなる。恥ずかしいぞ。

「それじゃ、お言葉に甘えて」

甘いミルクティを1つ。

意外、甘いのが好きなの？顔を覗き込むと、さっきとはまるで違う。お姉ちゃんみたいに優しい優しい目をしてた。

「私もそのミルクティ1番好き」
「……そっか、ならあいつも喜びそうだ」

今度は眉を下げてとても悲しそう。
私が入院すると知った時のお姉ちゃんと同じ。

ねえ、もしかして。

「それじゃ」

病室を後にしようとするその人を思わず引き止めてしまった。

「あの！お名前はっ……」

「ああ、豪炎寺修也だ。君は……」
「豪炎寺って……豪炎寺先生……の？」

その瞬間、表情に影が刺したのがわかった。

「あっ！ごめんね、私はAAです」
「……ん。今後は落ち着いて行動するんだぞ」

「ありがとう……？」

ひらりと手を振り優しく病室の扉を閉めて去っていった。
豪炎寺……修也……。

「担当の先生と同じ苗字なんだ…」

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