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第22話 ページ23

翌日。

朝からご機嫌な私に何があったか、鋭い聖香はすぐに見抜いてきた。

「山野君と何かあったんでしょ?ね?そうなんでしょ?」

「うっさい」

フイッと横を向いて、何もなかったように聖香の前を歩く。

「えー、本当にひどいなーAはー」

でも聖香はわかっているだろう。

私の心の中の荒れようが。

「…お前、今日どうかしたか」

神様が困惑した表情でこっちを見てくる。

ええ、ありました!!ありましたよ。

同じクラスの男子とまさかの両思いでしたからね。

「!!…本当か」

本当です、今から返事しに行くので。

「…どうなっても私は知らないからな」

神様はそういうと、フッと姿を消してしまった。

「あれ?神様!」

聖香はきょろきょろとあたりを見回す。

たまに急に消えることがあるのだ、神様は。

「あ。A!!山野君だよ、行ってきなよ〜」

トンと聖香が私の背中を押す。

勢い余って、山野君の背中にぶつかってしまう。

「うわ!!!…め、女神…おはよ」

「お、おはよう山野君」

昨日のことを思い出して、顔が赤くなる。でも、伝えなくてはいけない。

「昨日の、返事…」

「あ、うん」

「…はい」

「え、うっそ!!まじで!?」

小さく私がうなずくと山野君は大きくガッツポーズをした。

「やったぁ!!女神と付き合えるとか夢みてぇ!!!」

後ろから聖香が駆けてきて私の肩を叩く。

「恨む立場から、恨まれる立場になったね。おめでと

 邪魔者は先に行くから〜」

そういって聖香はタタタッと駆けて行った。

2人きりであと何メートルもない学校までの道のりで

なんとなく気まずい雰囲気をぶち壊しにする声が響いた。

「キャァァ!!!」

聖香の声だ。

私は本能で走り出していた。そのあとに山野君が続く。

「聖香!!??」

「A…」

そこには下駄箱に足を挟まれた聖香の姿があった。

「なっ、なんだよ、これ」

遅れてきた山野君が驚きの声を上げる。

急いで下駄箱を持ち上げる。

聖香の足は血まみれで、救急車が来るまで私たちは聖香のそばにいて、

ただただ泣くことしかできなかった。

なんで、聖香までこんな目に合わなくちゃいけないんだ。

でも今は聖香が助かることを祈ろう。

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akka(プロフ) - 蒼猫。さん» ありがとうございます<(_ _)>聖香はキャラ的に私も好きです (2013年9月25日 19時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
蒼猫。(プロフ) - 完結おめでとうございまぁす!!ちょっと寂しいですけど…幸せになれてよかったです!!(ノД`)・゜・。 聖香ちゃんスキです!! (2013年9月25日 18時) (レス) id: 0cd0bc8444 (このIDを非表示/違反報告)
蒼猫。(プロフ) - akkaさん» いえいえ、楽しみにしてます♪ (2013年9月16日 18時) (レス) id: 0cd0bc8444 (このIDを非表示/違反報告)
akka(プロフ) - 蒼猫。さん» まじすか!!教えてくださってありがとうございます<(_ _)> (2013年9月16日 18時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
蒼猫。(プロフ) - akkaさん» わー(´;ω;`)続き待ってます…!!あ、あと…25話の「一週間前にお父さんが死んで、ついさっきお父さんが死んだ」ってなってます;;違ってたらスミマセン…!! (2013年9月16日 15時) (レス) id: 0cd0bc8444 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:akka | 作成日時:2013年9月3日 17時

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