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第14話 ページ15

憂鬱な学校も終わり、部活動に入っていない私、聖香そして神様は帰り道を歩いていた。

「さぁA、今日は何回転ぶのかな〜?」

「うるさい聖香。殺すよ」

「やだぁ、怖いなぁ〜」

ケラケラと笑いながら歩いていく聖香。

…まぁ3回程度で済むとうれしいんだが。

「うっっわ」

1回目。

「だ、大丈夫かA?」

「はい、1回目〜」

大丈夫?って聞きながら私に手を差し伸べる聖香。

大丈夫、と小さくうなずいてその手を取る。

「ごめんね」

「ううん…。もう、ケンカしないようにもっと仲良くしようね」

そんなカップルの会話が耳に入ってくる。

「…A、今日は早かったね」

「ええ、リア充爆発しろ」

真顔のまま立ち上がってカップルどもを横目に見る。

最悪だ。

無視してそのまま歩いていく。

いつもの交差点。聖香とはここでお別れだ。

「じゃね、A!」

「あぁ、明日は聖香に不幸が起きますように」

「Aが近くにいる間は無理だわ」

そんな会話を交わして横断歩道を渡る。

「危ない!!」

後ろから聖香の声がして私は立ち止った。

途端に隣にあった電柱が倒れてくる。

「A!!」

神様が突き飛ばしてくれなかったら、私は死んでいただろうか。

ドーン!と目の前で電柱が倒れ、飛んできたアスファルトの破片で頬が切れる。

「A!!大丈夫!?怪我してない!?」

あわてて聖香が駆けてきて私の頬の傷をハンカチで抑えてくれる。

命の危機にあった?私が?

今、この瞬間にも誰かが幸せになっているんだ。

そんなことを思うと勝手に涙がこぼれてきた。

「なんで、私なの…」

オロオロと私をなだめる聖香。

このままじゃ、何も幸せを知らずに死んでしまう。

他人の幸せを見届けて、死んでしまう…。

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akka(プロフ) - 蒼猫。さん» ありがとうございます<(_ _)>聖香はキャラ的に私も好きです (2013年9月25日 19時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
蒼猫。(プロフ) - 完結おめでとうございまぁす!!ちょっと寂しいですけど…幸せになれてよかったです!!(ノД`)・゜・。 聖香ちゃんスキです!! (2013年9月25日 18時) (レス) id: 0cd0bc8444 (このIDを非表示/違反報告)
蒼猫。(プロフ) - akkaさん» いえいえ、楽しみにしてます♪ (2013年9月16日 18時) (レス) id: 0cd0bc8444 (このIDを非表示/違反報告)
akka(プロフ) - 蒼猫。さん» まじすか!!教えてくださってありがとうございます<(_ _)> (2013年9月16日 18時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
蒼猫。(プロフ) - akkaさん» わー(´;ω;`)続き待ってます…!!あ、あと…25話の「一週間前にお父さんが死んで、ついさっきお父さんが死んだ」ってなってます;;違ってたらスミマセン…!! (2013年9月16日 15時) (レス) id: 0cd0bc8444 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:akka | 作成日時:2013年9月3日 17時

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