最強の殺し屋は転生して鬼狩りするんだって。弐

92話 行き過ぎた優しさは時に人を惑わせる。 ページ46

『誤解も解けたという事で……さぁ、義勇はもうお家に帰って寝なさいよ。』



義勇「…いや、俺は…」



ガラッ



天元「ようA！！元気になったか？」



『天元ん"ん"！！ナイスだ天元！！』



天元「ん？何がだ？」



『義勇が疲れて1人では家に帰れないみたいなんだ。だから送ってあげてくれないか？』



天元「…お前が行けばいいじゃねぇか。」



『……っ、あ、まだクラクラするみたいだなぁ。』



炭治郎「わわっ、A…！！」



炭治郎に食い気味に寄りかかる。



『…という事で天元、これ以上炭治郎に負担を架けないためにも、助けてくれよ。』



天元「…ったく、分かった。この俺が派手に冨岡を送り届けてやろう！！」



『あざーす、あ、炭治郎ごめんね、いきなり寄りかかっちゃって…？』



え、なんで天元が目の前にいんの、炭治郎は？炭治郎はどこ行った？



天元「…これで貸し一つな。」ﾆﾔ



『…なっ…』



グイッ



天元「おら冨岡帰んぞー」



義勇「…俺は一人で帰れると…！おい…！」



い、行ってしまった……

くそっ、やられた…

気前いいと思ったら……そういうことかよ天元！！



(…まぁ、プラスに考えて？少ししつこい義勇は天元が世話してくれるし？いいんじゃね？って事で。)



『うん、一件落着だな、はは。』



よぉし、てか喉乾いたな、アオイちゃんに水貰いに行こ。



ガシッ



『…おや…いきなり肩を掴んでどうしたんだ炭治郎…』



この気配は……完全にお怒りだァ…



炭治郎「A、俺は物凄く怒っている。」



『…それはもう気配が滲み出てるというか…』



いや、まてよ？冷静に考えれば私は別に炭治郎に怒られる筋合いはない。だって私と炭治郎は恋人同士ではないし。炭治郎は私の親でもない。怒られる理由がない。へへっ…



『炭治郎、私は別に悪い事はしてな…い…？』




炭治郎「…A…その…」




なんだこの気配……怒ってない…けど…




『…何か聞きたいことがある…のか？』




炭治郎「っ…いや、なんでもないぞっ！！」




『…炭治郎…』



炭治郎「ほらA！お土産を一緒に開けよう！！」



あぁ炭治郎、今殺し屋のことを聞こうとしてただろう？

本当に優しいな君は……

私が話すまで聞かないつもりなんだろう？



別に問いただしてもらって構わないのに……私は……人殺しなんだ。



優しさを貰える程、良い奴じゃない。



ただの…“人殺しのクソ野郎”なんだよ…

93話 お土産の愛が重すぎる件について。→←91話 多大なる誤解と語弊。

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