gnzkに夢を見る

ずるい人 ページ4

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「今日は一緒に寝ません」


いつも通り布団に入るかと思った彼女からそう言われた


「…どうして？」

「今日は、新人くんの配信を見たいので、、終わるまで起きてます。なので、先に寝てて、？」

「新人くんって誰」

「あの、例の、ね、！！とにかくあの子の配信見たいから、寝るなら先に寝てて！！」


バイバイとでも言いたげに手を振り、「イヤホンして聞くから！うるさくしないから！大丈夫！」と見当外れのことを言うA。そうじゃなくて配信を見て欲しくないんだけどな。
別に浮気とかそういう風に思ってる訳じゃないけど、今日はなんか嫌だった。

僕は彼女の背中にペトリとくっついて、肩におでこをぐりぐりと押し付けてみた。


「…アーカイブじゃだめなの？」

「ダメじゃないけど、せっかくリアタイできるならしたいなって、」


…なんでこっち向いて話してくんないの？

眠いからか、疲れてるからか、ちょっとした事でムッとして悲しくなってしまった。
Aは何かを察したのか、たまたまか、僕の方に目線を向けて、「なぁに？」と言いたげに小首を傾げた。


「…Aの推しって誰？」

「弦月だよ、？？」

「…じゃあ。弦月でいいじゃん。」

「………ヤキモチ？」

「うるさ。なんでもいいでしょ。」

「私が弦月以外の配信見るのヤダ？」

「…そういうんじゃないよ。今日はちょっと、嫌かな〜って感じだけど。」

「…そう。じゃあ、、見るのや〜めた！」


Aはそう言うと、スマホをクッションの上にぽーいと放り投げて、僕にぎゅうっと抱き着いた。


「……いいの？」

「いよ〜♡も〜！弦月可愛いねぇ！！」


彼女は僕の髪の毛をサラサラと撫でて「可愛い可愛い」と言う


「君の方が可愛いよ。はぁ、好き。」

「美人さんに可愛いって言われたら照れちゃうね、私も好きだよ」


弦月の彼女、可愛くって優しくってほんとにずるい。


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