高校生探偵組【警察学校組】

父親似　母親似 ページ30

『天鷹…父さんと？』


伊嵐「うん。天鷹も、よくそう言ってたよ。」


珠蓮「そ。事件解決したのに、「俺はまだまだだな」って。」


伊嵐「理由聞いたら、「犯人が自白しなかった」って。「すごい名探偵は犯人に認めされるだけじゃなく、理由も聞き出せる」って。」


『でも…それでも…父さんはすごいよ。』


珠蓮「知ってるよ。天鷹は本当にすごい、世界一の名探偵だった。」


『ねぇ、伊嵐さんと、珠蓮さんは…天鷹の失踪について、知ってるんだよね？なんで…父さんは…。』


珠蓮「ごめん、Aちゃん。」


『っ…なんで……。』


伊嵐「おい珠蓮。」


珠蓮「でも、口外できないだろ。」


『……確かめたいことがある。』


伊嵐「何？」


『伊嵐さんと珠蓮さんは、会見で「嘘」をついたよね？』


伊嵐・珠蓮「⁉︎」


『会見は全部、天雨の意見だよね？』


伊嵐「なんでそう思った？」


『ただそう思っただけ。父さんが言ってたよ。「勘も名探偵に必要な材料だ。少しでもそう思ったのならたとえ勘だろうと言ってみろ。」って。だから……。』


珠蓮「伊嵐。俺なんで天鷹が「Aは名探偵に向いてる」って言ったのか、ようやくわかったよ。」


伊嵐「俺も。Aちゃんは、勘も推理力も、十分すぎるくらい備わってる。そして、その確信のある目。」


珠蓮「うん。会見は全部、天雨の考えを話した。」


『じゃあ、あの会見は…。』


伊嵐「嘘も混じっている。」


『嘘って、断言するってことは、伊嵐さんも、珠蓮さんも…天鷹の失踪の理由を知ってるんだね？』


珠蓮「うん。知ってる。どこにいったのかも、その理由も。」


『なんで、話してくれないの？』


伊嵐「天鷹に口止めされてるからなあ。でも、天鷹とはちょくちょく連絡とってるよ。」


『じゃあ、天鷹は…普通に生活してるってこと？』


伊嵐「隠れてるから普通ではないけどね。」


『教えて、くれない？なんで…失踪したのか。』


珠蓮「伊嵐。」


伊嵐「わかってる。ごめんね、Aちゃん。それだけは本当に教えられない。」


『…ごめんなさい。』


伊嵐「こっちこそごめんね。」


『伊嵐さんも珠蓮さんも、会見については教えてくれた。これ以上望むのは僕のわがままだから引くよ。』


珠蓮「最後に1ついいかな。」


『何？』


珠蓮「Aちゃんは、父親似。アリス様は母親似だよ。」


それだけ言って2人は部屋を出て行った。

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