二訓 ページ4
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見るとそこには両手に沢山の荷物を抱えた新八君と酢昆布を咥えた神楽ちゃんが居た。
「A姐ー!!」
『う″っ!?』
「神楽ちゃん!?Aさん死んじゃうから!!」
うちの顔を見て嬉しそうに抱きついてくる神楽ちゃん。その行動は凄く可愛いのだが、ただ彼女の場合それに伴い痛みも襲ってくる訳で。正直言うとめちゃめちゃ苦しい。
「あ。ごめんアル」
『い、いや……良かよ、』
新八君の言葉に気がついたように離れた神楽ちゃん。すると彼女の視線はうちから隣に座る土方さんへと移る。
「なんでマヨが居るネ。私とA姐との大切な時間奪うなヨ」
「どっちかっつったらてめぇの方が奪ってんだけど」
ガンを飛ばし合う二人。それを呆れた様子で新八君は見ていた。そしてその視線は再びうちの方へ向く。
「なんで二人が一緒に?あ、もしかして僕らお邪魔で『全然邪魔じゃなかけん気にせんで』
「いやあの僕まだ言い終わってないんですけど。どんだけ嫌だったんですか」
『そりゃもう、普段陽キャな人が家で密かにポエム作っててそれがクラス中にバレたとき並に嫌だよね』
「なんでそんな具体的なんですか。それAさんのことじゃないですよね?」
『うん。さっき土方さんに言いよったけん「何平気な顔して嘘ついてんだ闇医者」
またも頭にチョップを食らい再び頭を抑える。これで二回目のチョップだ。
『…そ、そいで、二人はなんでこがんとこに?』
「依頼です。この荷物を目的の所まで届けないとなんです」
そう言って手にある荷物を少し掲げる。
『依頼やったら銀時はどこおっと?』
「それが…」
歯切れの悪い新八君に首を傾げると横の神楽ちゃんがムスッと頬を膨らませる。
「銀ちゃんサボりアル!!私と新八に押しつけて自分はどっか行ったネ!!」
『うーわっ、信じらんない…』
「デショ!?だから取られちゃうんだヨ。バカな男アル」
『取られる?』
うちが聞き返すと神楽ちゃんは、しまった…!とでも言いたそうに口元を手で覆い隠す。新八君も「ぼ、僕たちもう行きますね!」とだけ言って神楽ちゃんを引き連れて行ってしまった。
『なんやったとやろ…?』
「………さぁな」
『えっ、なんですかその間。絶対何か分かったんじゃないですか!?』
「分かんねぇよ。それより早く食べろ。行くぞ」
『えっ、どこにですか。て、ちょっと!!』
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睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - 茶魔さん» ありがとうございます!!もどかしい2人をこれからもよろしくお願いします笑 (2022年3月27日 17時) (レス) id: 4363425499 (このIDを非表示/違反報告)
茶魔(プロフ) - めっちゃ良かったです。土方さんと距離が縮みそうで縮んでないような雰囲気にドキドキしました! (2022年3月27日 15時) (レス) @page13 id: b44f6f7184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡眠足りない布団好き女子 | 作成日時:2022年3月25日 23時