【高杉】混ぜるなキケン2【土方】

79. 艶々の紫髪 ページ30

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切なそうな
全てを諦めたような

緑色の瞳。







私はこの目を知っている








私がまだ、幼い頃
実家で剣術を教えてもらっていたとき

どこかで見たような









辛い稽古の合間に


神社に行って“シンくん”という名の
男の子とお喋りした記憶。




ぼんやり靄がかかったように
思い出せない。






あの時間だけが心の救いだった

そんなうっすらとしか覚えていない。









彼の本名も知らない。

どこの門下生かも知らない。




あれから彼が
どうなったのかも知らない。








シンくんと過ごした

あの1ヶ月間だけが
私の幼少期の良い記憶









どうして気がつかなかったんだろう。





こんな艶々の紫頭なんて
そうそういないじゃん。






『…シン…く、ん』



高杉「…よォ、A」









シンくん__________高杉晋助は、







私の記憶の中にある高杉晋助は



頰にかすり傷をつけていて
透き通った緑の瞳をしていて
気品漂う雰囲気をまとった男の子

特徴的な艶のある紫の髪の毛





優しい声で私を慰めてくれた


サボり方を教えてくれた


私が知らないたくさんのことを
教えてくれた









前髪が長くて包帯なんてして
顔の半分も見えないし

声もずっと低く大人っぽくなって

色気を纏って煙管を吸う



そして世界を壊そうとする
過激派攘夷志士となった今







わかるわけない。
思い出せるはずがない。


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61話少し訂正しました。

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