78. 大切な思い出 ページ29
『シンくん!虫があああっ!!』
高杉「虫ぐらいでうるせえ」
『違うってこれ!ただの虫じゃなくて蜘蛛だよ!!ひえっ…』
高杉「ただの虫じゃん」
.
『シンくん、自分より大きい相手に勝つにはどうしたらいいの?』
高杉「お前はまず筋肉つけるところから始めた方がいいと思う」
『筋肉?』
高杉「力もねえのに勝てるわけがねえ」
『…そっかあ、』
.
高杉「相変わらず傷だらけだな」
『…ぐすっ、なかなか勝てなくて』
高杉「また泣いてる。…女なんだからそんなに無理することないんじゃねえの」
『…私もそう思う』
高杉「お前馬鹿だろ」
『馬鹿じゃないよ失礼な』
.
『今日はシンくんの方が傷だらけだね』
高杉「…なんだAか」
『手から血が出てるよ』
高杉「別に、どっかで転んだんだろ」
『…その量だと100回くらい転んだのかな』
高杉「うるせえな」
『まったく仕方ないなあドジなシンくんに手当てでもしてあげるよ』
.
『シンくん!今日ね、初めて勝った!』
高杉「すげえじゃん」
『へへ、でしょ!』
.
『これ、ヤクルコっていうんだ』
高杉「ヤクルコ?」
『最近でた新しい飲み物』
高杉「ふーん、…あまっ」
『あれ、甘いの苦手?』
高杉「好きでも嫌いでもない」
『なんじゃそりゃ』
.
楽しい時間は長くは続かなかったが。
Aと出会って
一ヶ月が経とうとしていたころ
突然、Aは現れなくなった。
Aがどこの門下生なのか
そもそも苗字がなんなのかも
俺は何も知らなかった。
探そうにも探せない。
また、退屈な日々に戻ってしまった。
そうして俺も松陽先生の営む
松下村塾に入門し
二度と会わぬまま、
数十年の月日が過ぎた。
子供の頃の懐かしいような記憶
Aと過ごし一ヶ月。
たった一ヶ月だが
俺の頭にはしっかり刻まれていた。
伊達に銀時達に
記憶力だけはいいって言われてねえ
だから、
お前は覚えていなくても
俺は、
数十年ぶりに会っても
覚えていられたんだ。
あの月が綺麗な夜。
橋の上での再会。
.
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がねめ(めがね) - ゆうかさん» まだまだ未熟者ですが完結までお付き合いいただいて本当にありがとうございます(;;)私もコメントいただけて本当に嬉しくてずっとニヤけてます。これからもどうぞよろしくお願い致します!!本当に本当にありがとうございます! (2018年4月3日 23時) (レス) id: 77056c5502 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - まずは完結おめでとうございます!次のお話への繋がり方がとっても素敵です(T_T)続きだと思って読ませていただきます! (2018年4月3日 22時) (レス) id: baf03f21d4 (このIDを非表示/違反報告)
がねめ - ややさん» ありがとうございます(;_;)更新が滞ることが多々ありますががんばりたいと思います!これからもこの作品をどうぞよろしくお願い致します!! (2018年3月27日 21時) (レス) id: 77056c5502 (このIDを非表示/違反報告)
やや(プロフ) - とても面白かったです!!これからも頑張って下さいね! (2018年3月27日 20時) (レス) id: 551e634984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がねめ(めがね) | 作成日時:2018年3月27日 19時